まるで脚に虫がはうような感覚におそわれる「むずむず脚症候群」。特に夕方から夜にかけての時間帯に、ふくらはぎがむずむずしたり、チリチリと熱っぽいような不快な感覚が現われるのが特徴だ。

林田健一院長
日本睡眠学会評議員・認定医、精神保健指定医、日本医師会認定産業医

 就寝時、布団やベッドに横になると強く症状が出るが、なかには電車や仕事中にじっと座っているときにむずむずする人もいる。下肢の部分に症状が出ることが多い、なかには太ももから背中にかけてまで不快感を感じるケースもある。動いたり、むずむずする箇所をたたいたりすると、症状が軽減することがあるが、夜間に症状が出ることが多いため睡眠不足になるケースが多い。場合によっては、うつ状態に陥ることもあり決して軽視できない病気だ。最近になってクローズアップされているむずむず脚症候群だが、決して現代病ではない。古くは1667年に「むずむず脚症候群」の症例を報告した記録もある。1960年代になってむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)と名付けられたが、一般への浸透は低く、これまで医療機関を受診しても「末梢神経の障害」や「座骨神経痛」、「皮膚病」という診断を下されることも少なくなかった。日本では、1999年の日本睡眠学会で初めてむずむず脚症候群に関するシンポジウムが開催されたことをきっかけに、睡眠専門医や神経内科医の間で注目されるようになってきた。「実際にむずむず脚症候群で受診する患者は増えましたが、最近になってこの病気が爆発的に増えたということではなく、むずむず脚症候群が認知された結果でしょう」と、むずむず症候群に詳しい、スリープ&ストレスクリニックの林田健一院長は言う。