ドライミストの考案者、辻本誠教授の自宅マンションのベランダに設置された家庭用ドライミスト。細かい霧を噴射して、水が蒸発する際に奪う気化熱で空気の温度を下げる(画像クリックで拡大)

 もうすぐ梅雨明け。本格的な夏の到来だ。真夏の暑さは、誰もが不快に感じること。特にヒートアイランド現象が起きている街中では、連日たまらない暑さが続く。夜まで蒸し暑い日などは、なかなか寝付けず、寝不足になりがちだ。暑いのが苦手の人でなくても、連日これではたまらないだろう。

 そんな夏の暑さをやわらげてくれるのが、「ドライミスト」と呼ぶ新しいタイプの冷房装置だ。水に圧力をかけて霧状に噴出し、それが空気中で蒸発するときの気化熱吸収作用を利用して、周辺の気温を下げるというもの。霧といっても空気中で蒸発するので、そこにいる人が濡れたと感じない。

 2003年ごろから研究が進み、2005年の愛・地球博(愛知県)の「グローバル・ループ」で大々的に導入された。その後も、六本木ヒルズのメインエントランス「66プラザ」や、秋葉原クロスフィールド、新丸の内ビルなどで相次いで導入された。設置場所に行ったことがなくても、テレビなどで存在を知っている人も多いはずだ。

 ドライミストのメリットは多い。代表的な冷房装置であるエアコン(クーラー)と違って、利用しても喉を痛めることはない。電気代は8畳向け家庭用エアコンの1/4~1/8程度で、室外機からの廃熱を周囲に放出しないため、ヒートアイランド現象を弱める効果もある。体にも自然にも優しい冷房装置なのだ。

 これまで大規模な施設での導入事例が目立ったドライミストだが、研究・開発が進んだことで一般の店舗や家庭にも導入できるようになった。ドライミストの考案者である東京理科大学・辻本誠教授によれば、辻本教授の自宅を始め、すでに数世帯の一般家庭で実際に使われているという。

六本木ヒルズの「66プラザ」のドライミストは、2008年は6月27日から運転開始。運転時間は8:30~18:30で、気温27.5度以上、湿度70%未満、風速4m/s以下、降雨なしの条件で霧を噴霧する(画像クリックで拡大)

秋葉原クロスフィールドのドライミストは6月26日から9月30日まで運転。運転時間は8:00~21:00で、気温27度以上、湿度70%未満、風速3m/s未満、降雨なしの条件で霧を噴霧する(画像クリックで拡大)