昼食時にコンビニに買い出しに行く人にとって、山崎製パンの「ランチパック」(注)はよく目につく商品の一つではないだろうか。この「ランチパック」が、一部で注目を集め始めている。商品の画像を集め、自分のサイトで掲載しているファンも少なくない。理由は、その種類の豊富さ。1984年の発売以来、数百種類以上の味を発売してきた。これまでに発売されてきたレパートリーは「ゴボウサラダ」「あずきクリーム」「グラタンコロッケ」「黒豆ココア入りクリーム」など、定番の商品から「あれ?」と感じる奇抜なものまで。その豊富さの理由や人気の秘密に迫った。

注)「ランチパック」は沖縄以外の全国で発売されている。

“ケータイするランチ”で女性層にアピール

 「ランチパック」はミミを切り落とした2枚の食パンで具材をはさんだサンドイッチ。「オフィスで働く人が片手で食べても手が汚れないように」との思いから、具材がはみ出さないようにぴったりと生地の4辺を圧着させている。

 1984年の発売当初は「青りんご」「ピーナッツ」「小倉」「ヨーグルト」の4種類が発売され、徐々に「たまごサラダ」「ツナマヨネーズ」などの種類が増え始めた。ロングセラーとして20年近く愛された「ランチパック」が大幅にリニューアルされたのは2005年。食パンの加工方法などを通して品質の改善が行われ、特に「ランチパック」専用に作られているという食パンの「表面のきめ細やかさ」が格段にアップ。オフィスで働く女性をイメージしたCMも放映され、「ケータイするランチ」をコンセプトにしたプロモーション活動を行った。「女性にも親しみやすさをアピールすることで、これまで購買層は男性が中心だったが女性からの支持が増えた」(営業部 斉藤高志さん)という。結果、2001年に59億円だった出荷額が2008年は400億円を目標とするまでになっている。現在、1日に約100万個を出荷している。

 気になる種類の豊富さだが、月に1回、基本的に甘味系を1品、惣菜系を1品ずつ新しい商品を発売している。6月の新商品は「チョコレートクリーム」「カスタードクリーム」(6月は例外的に甘味系から2品発売)、「和風ハンバーグ(全粒粉入りパン使用)」の3品、7月の新商品は「夕張メロンクリーム&ホイップ」と「明太ポテト」 だという。味が決定してから日持ち検査やパッケージデザイン&ネーミングなどを経て店頭に並ぶまでは約3カ月間。味を選ぶ時のポイントは、まず季節に合う素材を選ぶこと、そしてサンドしてみて味が良いかどうかだという。

「チョコクリーム」(希望小売価格120円)(画像クリックで拡大)

「カスタードクリーム」(同120円)(画像クリックで拡大)

「和風ハンバーグ(全粒入りパン使用)」(同175円)(画像クリックで拡大)

「夕張メロンクリーム&ホイップ」(同135円)、発売中(画像クリックで拡大)

「明太ポテト」(同155円)、発売中(画像クリックで拡大)

地方限定商品も多数生まれていた!

 新商品を含めて、甘味系8品、惣菜系8品を常時販売している。惣菜系でいえば、女性に受けやすいサラダ系商品、男性に受けるフライ系商品などバランスの良い品ぞろえになるように心がけているという。

 多彩な種類の理由について、担当者は「毎日買ってもらいたいと考えてのこと」と話す。コンビニのおにぎり売り場には種類が豊富にそろっているから毎日どれにしようかと選びたくなる。サンドイッチ売り場はそれほど充実していないと感じた」(同斉藤さん)。おにぎりコーナーがあるように、「ランチパックコーナー」をコンビニで設けてもらえればと考えていたとおり、現在、専用のコーナーを設置するコンビニも少なくない。最も人気のあるのは発売当初から24年間あるロングセラー商品「ピーナッツ」、次に人気のあるのは「たまごサラダ」だという。

「ピーナッツ」(希望小売価格135円)(画像クリックで拡大)

「たまごサラダ」(同150円)(画像クリックで拡大)

 また、「赤肉メロンクリーム&ホイップ(北海道限定)」、「白バラ牛乳クリーム&ホイップ(岡山限定)」、「あまおう苺ジャム&ホイップ(九州限定)」などの地域限定商品があることも、ファンの心をくすぐっている。地域限定の商品がある理由は、本社で開発され全国で販売される商品とは別に、地方の工場で独自に開発する商品があるため。もともと岡山限定のランチパック「きなこモチ」は、反響が大きかったため全国で発売されることとなった商品の一つ。現在は販売を終了しているが、今年の冬ごろから再発売も計画中という。

 担当者は「新商品の人気があったかどうかは顕著に結果に表れる。結果がすぐに出ることが面白いところでもある。これからも毎日食べてもらえることを考えて、商品を考えていきたい」と話している。

(文/小川たまか=プレスラボ)

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