足湯体験の撮影現場。休憩中、レポーターの田中麗奈がふてくされてSOYJOYをかじっている。「映画の仕事って言ってたよね」不満をぶつけられた豊川悦司は「甘いの太るよお。女優は太ったら、アウト」とかわす。「これある意味、ダイエットです、SOYJOY」と切り返す田中。

 ついこの間まで課長とOLだった名コンビが、今度は女優とマネジャーにふんして帰ってきた。キャストを変えず役柄を変更した珍しいCMだ。

人気CMの新バージョン

画像は、本文で触れた「女優とマネージャー」編に続く「いちご娘」編。映画の仕事と聞いて訪れた現場で田中を待ち構えていたのは、いちご娘キャンペーンガールの仕事だった。豊川悦司ふんするマネジャーは大女優を育てる夢を抱いた“昭和の男”。信頼という絆で結ばれた二人の今後から目が離せない。

SOYJOY「いちご娘」編
CD/朝生謙二、クリエイティブプロデューサー/寺坂要一、アートディレクター/阿字地睦、プランナー/朝生謙二・久山弘史・宮田庄司郎、プロデューサー/大野倫正、演出/岩井克之(画像クリックで拡大)

 前のバージョンは好評だったにもかかわらず、あえて役柄を変更したのは、「押し出したいメッセージが変わったため」(大塚製薬宣伝部(兼)SOYJOYプロジェクト課長工藤由紀氏)だという。

大豆からダイエットへ

 これまで打ち出してきた「これ、大豆ですから」のコピーで素材の認知は盤石なものとなり、昨年末までにSOYJOYが大豆食品であることの認知度は80%に達した。

 一方、ひとつ約120から130キロカロリー程度のSOYJOYは、もともと太りにくい食べ物という側面がある。次は健康面の利点を伝えようというわけだ。

 また、豊川悦司の活躍で男性ユーザーは増えたが、スタイルを気にする若い女性にももっと食べてもらいたいというねらいもある。女性好みのイチゴ味が登場したのを機に、体型を気にする女優という役を中心に、新しいストーリーを作った。

 豊川、田中は昨年の登場時で売り上げを初年度の約3倍に伸ばした“実績”がすでにある。「これ、大豆ですから」という、どこか含みがありつつもストレートなセリフが効いていたわけだが、今回の「ある意味、ダイエットです」もそれに負けじと、アタマの中にこびりついて離れない、強いインパクトが感じられる。

 ところで今回の設定は、昔売れっ子アイドルだったタレントが本格女優への転身を目指し奮闘するということらしい。努力するその姿は、ダイエットと重なって見えなくもない。

(文/矢野りん、写真/加藤康)

※この記事は日経エンタテインメント!(7月号)より転載しました。