受験生を持つ親だけでなく、大学院を目指す社会人にとっても、入学金や学費の工面は頭の痛い問題。ところが最近、大学独自の新しい支援制度が次々に登場している。それも、私立大学だけでなく、学費が安い国立大学でも独自の経済支援を始めるところが増えてきた。東京大学では20年度入学生から、親の年収が400万円未満(税込み)の学生の学費を無料にする制度をスタートさせ、周囲をアッと言わせた。こうした動きを受け、私立・国立を問わず、優秀な学生を獲得すべく、大学独自の支援制度が続々と生まれているのだ。その中から、注目すべきものをいくつかご紹介しよう。
慶應義塾大学は平成21年度から入学金を4割引き下げると発表。同大学では国際的に優秀な学生を集めるため、諸外国にはなく、徴収趣旨のはっきりしない入学金を近いうちに全廃する意向だ。このほか、入学金免除制度でユニークなのが東京工科大学の「卒業生御子息等入学金免除制度」。同大学のほか、日本工学院専門学校、日本工学院八王子専門学校、日本工学院北海道専門学校の4校を手がける片柳学園では、平成18年度からこの制度をスタート。4つの学校の卒業生・在校生の子供、孫、兄弟姉妹が4校のいずれかに入学した場合、入学金が免除される(北海道校のみ減額)。「学園創立60周年の記念事業の一環として始めました。最近は保護者の経済状況も2極分化傾向で、入学初年度にまとまったお金を工面するのが大変な方も多いのが実状。この制度での入学金免除は大変喜ばれています。在校生の妹さんや弟さんが入学されるケースも増え、この制度の効果が出ています」(東京工科大学・広報課)。ほかにも、同様の制度を採用する大学は増えている。
「学費が高いため、行きたいけれど断念せざるを得ない」という優秀な学生に入学のチャンスを与えたいと、国際基督教大学(ICU)が今年度から始めたのが、入学試験で優秀な成績を修めた学生に4年間で400万円を支給する「ICU Peace Bell奨学金」だ。同校の授業料・施設費は年額132万6000円。この金額がネックになり、せっかく合格しても入学を諦める優秀な学生もいた。「こうした現実を憂慮した同窓会の呼びかけにより、ICUを目指す優秀な学生に門戸を広げることと、建学の精神である国際平和の建設に貢献する人材を育てるために創設されました。今年4月に最初のPeace Bell奨学生12人が入学しました。奨学生に感想を聞くと、『この奨学金がなかったら、ICUに来るのが難しかった』と実際に答えた学生もいました」(国際基督教大学・広報センター)。昨年度から、大学とともに同窓会が募金活動を行い、すでに2億1844万円(08年3月21日時点)の基金が集まっている。
早稲田大学も04年に、入学試験の成績優秀者に4年間の学費を全額免除する特別奨学金制度を創設。前出の東京工科大学でも、同様のスカラシップ(奨学金給付)制度を実施。入学試験の成績上位合格者を対象に、年額120万円、最長4年間で総額480万円を給付する。優秀な学生を獲得するため、こうしたスカラシップ入試を行う大学が今後ますます増えそうだ。











