蚤の市、フリーマーケットとはひと味違う、プロ・アマが集結して自分の手づくり品だけを展示販売するアートマーケットが今人気を集めている。その代表格と言える東京・京都の2つの手づくり市をご紹介しよう。

 一つ目は東京・吉祥寺にある都立・井の頭恩賜公園で開かれている「井の頭公園アートマーケッツ」だ。この公園では、無許可の営業行為が禁止されているにも関わらず、昔からアーティストやミュージシャンがゲリラ的に自分の作品を並べて売ったり、演奏活動をしてきた歴史がある。これを楽しみに公園を訪れる人たちと、「騒音」や「通行の支障になる」という一部住民の間で賛否両論があった。それを解決したのが、昨年1月から始まった「井の頭公園アートマーケッツ」という制度。これは、土・日・祝日に限り、一定の審査に合格し、事務局が認定したアートキャストに限り、自分で手作りした作品を売ったり、演奏・手品などのパフォーマンス活動を許可するというもの。公園を青空個展会場に、また青空コンサート会場にして「公園を核とした賑わいを創出」しようという趣旨だ。自治体が管理する歴史のある公園としては画期的な試みである。出展エリアやパフォーマンスエリアも決められていて、休日には多くの人たちがアートマーケッツを楽しみに公園を訪れる。

 「現在、登録しているアートキャストの数は、出展系が228人、パフォーマンス系が49人。今年の3月16日の日曜日には71人が出展、13人がパフォーマンスを繰り広げて、過去最高の出展数を記録しました。吉祥寺音楽祭と連動するゴールデンウィークには、『一日チャレンジ出展』の人も加わり、それ以上の出展数が期待できます。全国各地からアートマーケッツを楽しみに来る人も増えていて、『今度東京に遊びに行くのですが、どこでやっているんですか』など、遠方からの問い合わせも増えています」(井の頭公園アートマーケッツ事務局・渡部厚さん)

 4月20日の日曜日、実際にアートマーケッツを取材してみると、個性的な手づくり品を売る店がズラリと並び、池のほとりではギターや沖縄の三線を演奏するグループも。家族連れ、外国人グループ、ジョギング中の人、カップル、犬を連れた人など老若男女が、お気に入りの店を見つけて店主(アートキャスト)とのやりとりを楽しんでいた。立体絵はがきの店、葉っぱで作ったキリギリスやコオロギを売る店、からくりアートの店など個性的な店が多く、こういう店の店主(アートキャスト)はもの作りの知識もうんちくも相当なもの。「手づくり品の売り買いだけじゃなく、ぜひアートキャストとの会話を楽しんでいただきたいですね。それが大きな魅力ですから。例えば、自分で撮ったカワセミの写真を売っている方は、井の頭公園の中のカワセミの撮影ポイントを知っていて、そんな話も聞けます。この公園で四季の自然の魅力を再認識する、そんな楽しみ方もできますよ」(前出の渡部さん)。今年のゴールデンウィークは特例として、4月26日(土)〜5月11日(日)まで、平日も含めて16日間連続でアートマーケッツを開催する。お天気の良い日は、井の頭公園に出かけてみては。

井の頭池をめぐる散歩道沿いに手づくりの店が並ぶ「井の頭公園アートマーケッツ」。この日はやや寒く、出店数は少なめだった(画像クリックで拡大)

植物の葉っぱで昆虫をつくる店など、人気の店には人だかりができる(画像クリックで拡大)

池のほとりで演奏する「まーさん洞」の沖縄民謡を楽しむ人々、一緒に唄ったり、踊ったりする人も(画像クリックで拡大)