――ビジュアル系など、少しずつ海外でもJ-POPへの関心は高まっていると思いますが、今後、さらにアメリカなどで受けるために、必要だと思うことは何ですか?

マーティ アメリカのスタイルを真似しても全然ダメだと思う。それにアメリカで今流行ってる音楽はつまんないし。あと、J-POPのアーティストを売り出すとしたら、衝撃的な話題性がないと、注目してもらえないかもね。

 例えば、少年ナイフはアメリカでニルヴァーナの前座をやるくらい話題になった。彼女たちはイメージが強いじゃん。日本人のOL3人がお揃いのかわいい服着てパンクロックを弾くなんて、分かりやすいし、そういう説明を聞いたら、アメリカ人は見てみたいと思う。でも、「日本にもうまい歌手がいるんですよ」ってだけ教えられても、別に関心は持たない。

――この本の中で、アメリカ人にJ-POPを紹介するときに、いきなり朋ちゃん(華原朋美)とかを聴かせると、寿司の中でも踊り食いから食べさせるようなもので、生魚の刺身にすら抵抗があるアメリカ人にはハードルが高すぎるって書いているのが、とても面白かった。うまい表現の仕方だなって思いました。

マーティ そのためには、まずJ-POP独特のヘタウマの魅力を理解しないといけない。それは、アメリカ人にとっては音楽の次元をいくつも超えないといけないこと。まず、浜崎あゆみを聴いて、全体的な音を気にいって、そのかわいさを楽しめるんだったら、もうちょっとハードなかわいさへ行ってみましょう。次は川嶋あい。そのかわいさも理解出来るんだったら、よし! 朋ちゃんの『I'm Proud』! そしたら、超興奮出来る(笑)。

 ヘタウマって偶然じゃないですよ。音痴じゃない。実はうまい。朋ちゃんの魔法の声を小室さんが発見した成果なんです。曲の良さを最大限に引き出すために計算され尽くした魔法。そういうコンセプトは、アメリカ人にはすぐは理解出来ないけど、少しずつ慣れていけば、やがて、踊り食いのおいしさが分かるんじゃないかな。

――ヘタウマもその要素のひとつだけど、かわいさの魅力がアメリカ人には理解出来ない?

マーティ まず残念ながら、アメリカの女性は「かわいい」ということ目指してない。日本では「かわいい」はほめ言葉でしょ? 向こうでは10歳超えたら「かわいい」は良い言葉じゃないね。特に歌手としては、あまり言われたくない。日本では、かわいさが音楽表現として映るのがすごくいいところ。そこが僕がJ-POPや日本の女性ボーカルが大好きな理由でもあるんです。

 女の人は、かわいさを目指すべきだよね。強い、ダメ! 頭いい、ダメ! まずかわいくなってから、他のクオリティを目指せばいい。世界中の女の人にかわいさを目指してほしい(笑)。

マーティが推薦
今後、活躍を期待する女性ボーカルTOP10(つづき)

5位 浜崎あゆみ やっぱりJ-POPクイーンでしょう。アメリカで「What is J-POP?」と質問されたら、とりあえず浜崎! クオリティーも高いし、最高のパフォーマンスの持ち主。浜崎が好きなら他もトライ出来る。
4位 玉置成実 出会ったのは最近。でも一緒に仕事して、すごく感動した。自分の音楽の才能を引っ張って伸ばそうとしてる。ダンスミュージックのジャンルなんだけど、すごく冒険していて、期待してます。
3位 北出菜奈 見た目とか、ボーカルの雰囲気とか、話題性満開。曲の雰囲気も誰にも似てない。イメージがあまりに衝撃的だから、アメリカ人も絶対に驚く。J-POPの魅力を爆発的なインパクトで伝える人。
2位 平原綾香 僕は上手いだけのボーカリストは好きじゃない。でも、綾香ちゃんは人間の声を超えてる。天使が地球に降りてきたような声で、メロディの美しさを表現する。何語とか関係無いくらい感動的。
1位 Perfume 『ポリリズム』は本当に大好きな曲! Perfumeと中田ヤスタカの一期一会。そのコンビネーションが完璧! メロディーがキレイで、声のエフェクトを本気で丁寧に作って大人っぽさの上にかわいさを乗せるなんて、独特の才能だと思う。頭が良くて、細かくて、オリジナルなのに聴きやすい。冒険的で、しかも成功している、こういう人たちを一番ほめたい。

玉置成実(画像クリックで拡大)

北出菜奈(画像クリックで拡大)

Perfume(画像クリックで拡大)