2008年の春ドラマは、20歳前半の若手女優が多数出演しているケースが目立つ。それも、『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)の長澤まさみを筆頭に、演技力の問われる“難しい役”を与えられているのも興味深い。それぞれが新境地を開拓すべく、シリアスあるいはコミカルな演技にチャレンジしている。
| ●春ドラマの主な若手女優の役どころ | ||
| 女優名(生まれ年) | 番組名(放送局) | 役どころ |
|---|---|---|
| 上戸彩(1985年) | 『ホカベン』 (日本テレビ系) |
理想を打ち砕かれた新人の弁護士役 |
| 上野樹里(1986年) | 『ラスト・フレンズ』 (フジテレビ系) |
親友にも親にも言えない深い悩みを抱える女性役 |
| 長澤まさみ(1987年) | 『ラスト・フレンズ』 (フジテレビ系) |
恋人から暴力を受けた経験のある女性役 |
| 石原さとみ(1986年) | 『パズル』 (テレビ朝日系) |
三十路過ぎの教師役 |
| 貫地谷しほり(1985年) | 『キミ犯人じゃないよね?』 (テレビ朝日系) |
抜群の推理力と記憶力をもつフリーター役 |
4月22日スタートの『おせん』(日本テレビ系)に主演する蒼井優(1985年生まれ)も、難しい役どころに挑戦している一人。4月11日には制作発表が行われ、蒼井優が報道陣の前に姿を見せた。
制作発表に和服で登場した蒼井優。右は寡黙な板長役を演じる杉本哲太
蒼井優といえば、これまでは“映画女優”というイメージが強かった。特に最近では、2006年公開の『フラガール』と『ハチミツとクローバー』の演技でブルーリボン賞の主演女優賞を獲得するなど、映画界では確固たる地位を築き上げてきた。その蒼井がようやく連続ドラマに初主演。既に同世代の若手女優が次々と連続ドラマの主演やヒロインに抜擢されていく中、ドラマ業界にとっては“遅れてきた最後の大物”といえる。本人も「こんなにたくさん(テレビ)ドラマに出るのは初めて」と自分が登場するシーンの多さをこのようにコメントした。
『おせん』はきくち正太の同名コミックスが原作。和の「真心」と「食」で、さまざまな問題を解決する人情&世直し物語だ。蒼井の役どころは、老舗料亭「一升庵」の若女将「おせん」こと主人公・半田仙で、普段はおいしいものが大好きで、大酒飲みの“天然ボケ”だが、実は天才的な美的感覚の持ち主で、料理はもちろん、書から陶芸までこなすという個性的なキャラクター。このユニークなマンガの主人公を蒼井がどう演じるかが注目されている。コミック原作なので、既に“ビジュアル”としておせんは多くの視聴者にイメージが存在しており、原作ファンにとっては、蒼井がおせんにどの程度成りきれるのかに関心が集まるだろう。逆に蒼井流のおせんに期待する人も多いはずだ。
「おせんは浮世離れしたキャラクター」と蒼井がおせんを評するように、いわゆる等身大とは違った役作りが必要で「料理学校に通ったり、料亭で実際の所作を学んだ」と意気込みを見せた。また、蒼井の着物姿もこのドラマの見どころだが「9割5分以上着物で、(着るたびに)毎日毎日おせんに一歩近づいた気がしてテンションが上がる」と、おせん役を楽しんでいる様子もうかがえた。「蒼井優VSおせん」−−。映画でさまざま役をこなして高い評価を得た蒼井が、持ち前の演技力で連続ドラマでも旋風を巻き起こすか、第1話を楽しみに待ちたい。
(文/渡貫幹彦=nikkei TRENDYnet)
■関連リンク
- 『おせん』の公式サイト:http://www.ntv.co.jp/osen/











