観客からは、ステージの映像に向かって紙テープが乱れ飛んだ。ちょうど30年前の1978年4月4日に、キャンディーズのファイナルコンサートが開かれたのだ。(画像クリックで拡大)

 「年下の男の子」「春一番」「暑中お見舞い申し上げます」「微笑がえし」……40歳代以上の人ならすぐ口ずさめる曲、今でもカラオケで盛り上がる曲を数々残した女性ボーカルグループ、ラン(伊藤蘭)、スー(田中好子)、ミキ(藤村美樹)の「キャンディーズ」。人気絶頂の1977年7月、日比谷野外音楽堂でのコンサートで突然解散宣言をして泣き崩れ、ファンもスタッフもまったくの寝耳に水、上を下への大混乱。その後の会見でランちゃんが言った「普通の女の子に戻りたい」はあまりにも有名な言葉になった。


 解散の意志が、単なる売れっ子のわがままではなく、3人のメンバーがしっかり考えて出した結論であることがわかり、翌1978年4月4日17時17分、後楽園球場(現・東京ドーム)でファイナルコンサートが始まった。集まったファンの数、5万人。空前の大コンサートとなった。

会場にもこだわり。30年後の同じ時刻に開場

 その日からちょうど30年後の2008年4月4日17時17分、ファンの有志と当時のスタッフが一体となって企画した「キャンディーズの本人達は出演しない、キャンディーズファンの大同窓会」という趣旨のフィルムコンサートの入場受付が開始された。会場は当時の後楽園球場の敷地内にあるJCBホール、というところまでこだわった。


 単に古いフィルムを上映するのではない。後楽園でのファイナルコンサートは、4時間半、全51曲(!)という規模。後日テレビで放映されたが、いくらなんでもすべてを放映することはできなかった。以後、残りの大部分は誰も目にすることはなかった。その、ファイナルに結集したファンも参加できなかったファンも垂涎の映像をテレビ局の奥の奥から発掘して上映し、同窓会のように盛り上がろう、という企画である。

 企画の主体は、当時のファンクラブであった全国キャンディーズ連盟(全キャン連)元メンバーに加えて、解散後の新しいファンも含めた有志、そして、当時キャンディーズを支えていたマネージメント、プロデュース、バックバンドなどのスタッフ。1月からスタートして3カ月で仕上げたプロジェクトである。

 正式名称を「全国キャンディーズ連盟2008大同窓会 CANDIES CHARITY CARNIVAL」とした。このコンサートの収益金の一部は、がん撲滅のために寄付される。昨年の暮れ、元・全キャン連の中心的人物の一人だったメンバーが、大腸ガンで亡くなった。「葬儀にはキャンディーズの曲を流してほしい」と言い残した彼と同じように今もキャンディーズを愛する、当時の仲間で盛り上がりろう、という熱意が、たった3カ月で一大イベントの形になったという。