「最高のスクランブルエッグを食べに行きましょう! 湘南まで」――担当編集のそんな提案に一瞬、返答に迷った。スクランブルエッグを? わざわざ湘南まで行って??

 あの『ニューヨークタイムズ』が「世界一の朝食」と絶賛したスクランブルエッグをご存知だろうか。ビル・グレンジャー(敬称略)がオーナーシェフを務めるレストラン「bills(ビルズ)」の人気メニューであり、現在オーストラリア・シドニー市内で3店舗を展開。「オーストラリアの朝食文化を変えた」とまで言われ、俳優のトム・クルーズやキャメロン・ディアス、ケイト・ブランシェットといったハリウッドセレブたちが愛してやまないほどの評判の店だ。

 そんな“世界一のスクランブルエッグ”がなんと日本で食べられるという。2008年3月22日、「ビルズ」の海外初店舗が神奈川県鎌倉市の七里ガ浜にオープンしたのだ。たかがスクランブルエッグ、されど“世界一”という言葉は魅力的……。そしてなぜ“七里ガ浜”なのか。そのナゾを目と舌で確かめるべく、早速、内覧会が行われた現地へ向かった。

七里ガ浜を目の前にそびえ立つ「WEEKEND HOUSE ALLEY」。週末、サーフィンや愛犬との暮らしを満喫できるぜいたくな住まいを提案。この2階に「ビルズ」はある(画像クリックで拡大)

 東京都心から電車を乗り継ぐこと1時間強。江ノ電・七里ヶ浜駅から徒歩2分。すぐに目に飛び込んでくるのは、おだやかな波が漂う湘南の海と、真っ白な外観の建物「WEEKEND HOUSE ALLEY」。この建物のプロデュースとブランディングを手がけたのが、数多くのコーポラティブハウスに携わった都市デザインシステムの関口正人氏と、「OFFICE」「sign」などのカフェを手がけたトランジットジェネラルオフィスの中村貞裕氏。都心で働く多忙なビジネスパーソンが休日をゆったりと過ごすためのウィークエンドハウスとして提案された13戸の住居と、サーフショップやペットグッズショップ、美容院やセレクトショップなどの6店舗のテナントが敷地内に並ぶ。「ビルズ」はその2階にある。

建物の外観は打ちっぱなしのコンクリート。1階から店を見上げた様子(画像クリックで拡大)

2階に上がって左側が「ダイニング」の扉(写真)。右側が「ラウンジ」の扉に分かれている(画像クリックで拡大)