1959年に放送がスタートした『おかあさんといっしょ』(NHK教育テレビ;月〜土8:35〜9:00)は、来年で50周年を迎える。文句なしの長寿番組である。無論、日本の幼児向けテレビ番組としては一番の老舗だ。幾度もマイナーチェンジを繰り返しつつも50年間途切れることなく放送され続けてきた。たとえばほかの有名どころの長寿番組をみると、『笑っていいとも!』が26年目、『徹子の部屋』が32年目、『サザエさん』が39年目、『笑点』が42年目。こうして並べてみると、『おかあさんといっしょ』のすごさが分かる。

 さて、50周年を迎え、歌のおにいさん、歌のおねえさんを5年間続けてきた今井ゆうぞうと、はいだしょうこがこの4月をもって番組を“卒業”することが発表された。

 一般紙、スポーツ紙、ニュースサイトなどでこの話題を目にした方も多いと思う。

 子ども番組の出演者が交代するのにわざわざ記者会見をするなんて、ちょっと珍しくない? 今どきの子ども番組は昔と違うのかな? ……と思った方もいるかもしれないが、実はおにいさん、おねえさんの交代会見は、今回に限ったことではなく、前の代もその前の代も記者会見が行われており、そのたび新聞記事にもなっているのだ。ただ、当時は、今のように過去のニュースをWebでカンタンに読める時代ではなかったので、記者会見が行われたというニュースに気づかないままの人も多かったのだろう。

 今回卒業する今井ゆうぞうは、笑うと目がなくなるキュートな童顔が魅力で、子供のみならず、世のお母さん達からの熱い支持を受けてきた。番組登場当初、『冬のソナタ』のペ・ヨンジュンに似ているとか、ネプチューンの堀内健に似ているとか、TBSの安住アナに似ているとか、まあ、とにかくいろいろな人に似ているといわれた人物。後任の横山だいすけ同様、劇団四季等のミュージカルの舞台で活躍していた前歴をもつ。

 一方、はいだしょうこは宝塚歌劇団星組出身。宝塚時代の芸名は千琴ひめか。歴代の歌のおねえさんの多くが、音大生→歌のおねえさんという経歴をもつ中、異色の前歴だ。タカラジェンヌ時代から歌唱力の高さを評価されていたという。また、少女時代は、作曲家の中田喜直に師事していたこともある。子どものころの将来の夢は「宝塚と歌のおねえさん」だったそうで、夢を両方ともかなえてしまった強運の持ち主でもある。

 番組に登場した当初は、華やかな美貌と素晴らしい歌唱力、ダンスも巧く、まさに完全無欠の歌のおねえさんと思われていたが、トークコーナーでのおっとりとした受け答えや「えかきうた」コーナーでの見る者に衝撃を与える画伯っぷりから、実はなかなかの天然さんであることが徐々に判明。可愛いおねえさんとして、こちらも多くのファンから支持されている。

 二人の後任は歌のおにいさんに横山だいすけ、歌のおねえさんに三谷たくみ。横山は千葉県出身、国立音楽大声楽科を卒業し劇団四季に所属、『ライオンキング』でヤギ役などを演じた経験があるとのこと。三谷は神奈川県出身、声楽を専攻している現役音大生。なお、今井ゆうぞう、はいだしょうこの『おかあさんといっしょ』最後の出演は3月28日、横山だいすけ、三谷たくみが登場するのは3月31日の放送から。ただし、5月2〜5日に渋谷のNHKホールで開催される「おかあさんといっしょファミリーコンサート」に今井ゆうぞうとはいだしょうこがゲスト出演する予定だ。

卒業するおにいさん、おねえさんに、後任のおにいさん、おねえさんから花束が贈られた。左から三谷たくみ、はいだしょうこ、横山だいすけ、今井ゆうぞう(画像クリックで拡大)

 ここで、歴代の歌のおにいさん、歌のおねえさんを振り返ってみよう。