2008年1月下旬から米国ラスベガスにて開催されたカメラ・映像関連機器の国際的な展示会「PMA08」が2月2日に無事閉幕。各メーカー魅力的な新モデルを発表するとともに、実機の展示も行われ会場は盛り上がりを見せた。会場の様子は特設サイト「PMA08現地報告」にてレポートしているので、ぜひチェックしてほしい。

 今回、例年PMAを隅々まで取材して回っている桃井一至カメラマンと吉村 永カメラマンの両氏に、PMA閉幕当日の夜に時間をいただき、PMA08を総括する座談会を行った。各メーカーの動向や、新モデルに対する的確な意見など、両氏の鋭い言葉に注目してほしい。

 最終回となる後編は、大型撮像素子を搭載したコンパクトデジカメ「DP1」で話題をさらったシグマや、防塵防滴性能を披露したオリンパスイメージング、タムロンなどに触れた後、PMA08の総評で締めくくります。前編(ソニー、松下電器産業、富士フイルム)中編(ニコン、キヤノン、ペンタックス)と合わせてお楽しみください。

DP1を筆頭にマニアのツボをついてくるシグマ

――前編、中編と続いて来ましたが、遂に最終回となりました。まだまだ触れていないメーカーが多数ありますので、もうひと頑張りお願いいたします。まずは、大型の撮像素子を積んだコンパクトデジカメ「DP1」で話題をさらったシグマからいきましょう。

20.7×13.8mmと大型のイメージセンサーを搭載し、話題を集めるコンパクトデジカメ「DP1」。日本では3月3日の発売を予定し、実売価格は9万9800円となる(画像クリックで拡大)

桃井一至カメラマン(以下、桃井):シグマはそれほど大きくない規模の会社だからこそできる、マニアのツボを押さえた商売を分かってるよね。例えばDP1は、開発段階で発表して得た色々な意見を、製品へフィードバックして完成度を高めるなど、柔軟に対応してる。

吉村 永カメラマン(以下、吉村):DP1は、2年前の「フォトキナ2006」が参考出品としては最初。それから今回のPMA08までの間にプロトタイプを何台か見せてもらってますが、ちゃんと進化しているし、進化の方向がブレてないよね。ただし、商売としてマスを狙っていないこともあって、分かりにくいところがたくさんあるカメラなんですよ。だから、DP1をきちんと理解していない人の横やりに飲み込まれないでほしいですよね。

桃井:そうそう、ちゃんと筋を通したほうがいいよね。なんと叩かれても、こういう仕様なんだって。

吉村:例えば、データ量が大きいから1枚撮影すると数秒待たないと次の写真が撮れなかったり、大きいセンサーに大きいレンズを付けたから、最短撮影距離が長くなってしまっているところとか。そこら辺のスペックは、大型センサー搭載の都合上、仕方がないところなんだよね。でも、単純にリコーの「CR DIGITAL II」や、キヤノンの「IXY DIGITALシリーズ」などと比較すると、「10万円もするカメラなのに何だこれは?」って話になってしまう。僕個人としては、GR DIGITAL IIよりも魅力のあるカメラだと思いますよ。

桃井:あと、シグマは決して強いブランドではないので、DP1が一過性の製品にならないといいですね。コンパクトで10万円クラスの製品は、まだまだ未開拓の市場、どこまで頑張ってくれるのか気になります。心情的には応援していきたいですね。

――シグマではDP1のほかに、超望遠ズームレンズの「APO 200-500mm F2.8/400-1000mm F5.6 EX DG」も話題を呼んでいましたが。

レンズ焦点距離200~500mmの全域でF2.8を達成した初の大口径超望遠ズームレンズ。付属する専用設計のアタッチメント「400-1000mm F5.6 Attachment」により、400-1000mmで全域F5.6の超望遠ズームレンズとして使用できる。希望小売価格は250万円。発売日は未定(画像クリックで拡大)

桃井:世の中には、あのレンズでしか撮れない世界がきっとあると思います。シグマは1000mmにもなる大口径超望遠ズームレンズを発売することによって、具体的にどんなものを撮るときに使われるのか、ユーザーからの声で分かるはず。それらのフィードバックから、このレンズがさらに進化するのか、それとも終わってしまうのか気になりますね。とにかく、過去にはないレンズなので、たとえゲテモノだと思っていても、実際に触るとわくわくする製品です。ほんと、このレンズを世の中に出してきたシグマはスゴイよ。

吉村:最初にプロトタイプを見たとき、正直、商品化されるとは思わなかった。

桃井:「まさか売るの?」って聞いたからね(笑)。