日本では、東芝のHD DVD事業撤退のニュースが大きな話題ですが、果たしてアメリカのメディア、小売店、そして消費者はどういった反応を見せているのでしょうか?

 まずメディアが今回のニュースを一般向けに大きく取り上げたのは、東芝が2月19日に行った、撤退の正式発表後からです。その数日前に、米最大スーパーマーケット、ウォルマートがHD DVD製品の取り扱いをやめる意向を発表した時も、それほど話題に上らなかったようです(ちなみに最近のニュースは、やっぱり大統領選挙の予備選関連が一番大きな比率を占めています)。

HD DVDの撤退を発表したウォルマートのサイト。6月をめどに関連商品は同店舗から姿を消すことに(画像クリックで拡大)

 そして、2月19日の正式発表。果たしてアメリカ市民の反応は? 著者の周囲にいる友人数名に、今回のニュースについて聞いてみたのですが、これがまたまた拍子抜け。「自分の生活にはまるで関係ない」といった意見が大半でした。

 「今はDVDで満足しているから、次世代の規格なんてまだ気にしたことはない」

 ……なるほどねぇ(汗)。日本の消費者との温度差が見えてきました。

ウォルマート発表が「棺おけに最後の釘を刺した!」

 もうちょっと専門的な意見が欲しいと感じた著者は、以前大手の電化製品店で働いていた知り合いにコメントを求めました。そのエレクトロニクス関連の動向に詳しい彼が説明してくれたことには、今回の東芝のHD DVD事業撤退を知る前から、次にパソコンを買う時はBDドライブ、と決めていたそう。

友人「ここ数カ月の市場は、もうBDに傾いていたよね。ワーナー・ブラザースがBD支持に回ったのが、やっぱり大きなきっかけかな」

著者「あと、ウォルマートがつい先日、HD DVD関連の製品から手を引くって発表したのも痛手だったかな?」

友人「そう、6月をめどに関連製品の販売を終了するってアナウンスしたね。東芝にとっては、まさに“棺おけに最後の釘を打ち付けられた”ってくらい、終わりを意味していたんじゃないかな。ウォルマートは、国内の“中流階級の下層部”という大きな消費者グループをターゲットにしていたし、東芝の降参は近いって感じたよ」

 彼はこのほかにも、データの記憶容量でHD DVD(同15GB)がBD(片面1層25GB)に劣っていたことなども敗因になったのではないか、と語ってくれました。