2008年1月下旬から米国ラスベガスにて開催されたカメラ・映像関連機器の国際的な展示会「PMA08」が2月2日に無事閉幕。各メーカー魅力的な新モデルを発表するとともに、実機の展示も行われ会場は盛り上がりを見せた。会場の様子は特設サイト「PMA08現地報告」にてレポートしているので、ぜひチェックしてほしい。

 今回、例年PMAを隅々まで取材して回っている桃井一至カメラマンと吉村 永カメラマンの両氏に、PMA閉幕当日の夜に時間をいただき、PMA08を総括する座談会を行った。各メーカーの動向や、新モデルに対する的確な意見など、両氏の鋭い言葉に注目してほしい。

 中編となる今回は、PMA08直前にそろってエントリーデジタル一眼レフを発表したニコン、キヤノン、そしてペンタックスの3メーカーについて語り尽くします。前編(ソニー、松下電器産業、富士フイルム)と合わせてお楽しみください。

PMA08開幕2日前に「D60」を発表した、ニコン

――中編となります今回は、PMA08直前にエントリーデジタル一眼レフを発表した、ニコン、キヤノン、ペンタックスの3社でお願いします。まずは、PMA08開幕の2日前に「D60」を発表したニコンから始めましょう。

1月29日に発表されたニコン「D60」。ボディー単体での販売のほか、「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」が付属する「D60 レンズキット」と、「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」と、「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G(IF)」の2本のレンズが付属する「D60 ダブルズームキット」を用意する(画像クリックで拡大)

吉村 永カメラマン(以下、吉村):ニコンは勢いに乗ってますね。しかも、その勢いにきちんと中身があるので偉い。

桃井一至カメラマン(以下、桃井):ニコンはちゃんとコンセプトを練っているのが分かるよね。お手軽なデジタル一眼レフ「D60」では、今必要とされていることがちゃんと反映されている。例えば、RAWデータをカメラ内部で現像できる機能。写真教室に来る年配の方たちは、RAW現像は自由度が高いって話を聞いて気にはなっている人が多いんです。でも、現像にはパソコンを使わなきゃいけないから、あきらめているって声がたくさんある。もちろんパソコンと同じことがすべてカメラ本体だけでできる訳じゃないですけど、ある程度のことがカメラ本体だけでやれるとしたら、それはそれで楽しみかたが膨らむわけですからいいですよね。

吉村:ニコンはレンズもちゃんと考えてる。マウントの形は同じだけど、この数年間にレンズを一掃してリニューアルしようとしているのが面白い。

桃井:昨年、DXフォーマットに加えて、フルサイズのFXフォーマットを追加したので、なおさら拍車がかからざるを得ないんだろうね。この勢いで色々と入れ替えてもらえればいいんじゃないでしょうか。

吉村:ここ数年、デジタルカメラで撮影した画像を、パソコンの画面で等倍に拡大してチェックする人たちが増えてきたこともあって、発売されるレンズが、とにかく四隅までシャープ写ることにこだわった高性能なものになりつつある。だから、レンズキットに付属するレンズ以外が、どんどん高くなっているんです。カメラ本体は、どんどん高性能になっていっても、ある程度安く抑えてこられたっていうのが今までの図式。でも、ここ数年、そしてこの先数年は、新発売のレンズの値段がどんどん高くなっていくんじゃないかな。

桃井:極分化かな。安いのはとことん安いだろうし。良いものはべらぼうに高くなっていくっていう感じはしますね。

写真は2008年夏以降の発売を予定している「PC-E Micro NIKKOR 45mm F2.8D ED」。ほかに、同時期に発売予定の「PC-E Micro NIKKOR 85mm F2.8D」と、発売中の「PC-E NIKKOR 24mm F3.5D ED」が1月29日に発表された(画像クリックで拡大)

吉村:要求されるレベルに応えていくと、そうなっちゃうよね。そうそう、久々にキヤノンに遅れていると言われていたシフトレンズの「PCレンズ」に、24mm、45mm、85mmの3本の新レンズが登場したニュースにはビックリした。

桃井:私の見解では、残念ながら時既に遅しかな。でも、キヤノンのシフトレンズである「TS-Eレンズ」は、発売されてから10年以上経っている古いレンズ。だから、昔から使っている人は買い替えの時期って感じているかもね。そういう意味ではいいタイミングなのかも。

吉村:確かにキヤノンのTS-Eレンズを使ってみると、3本ともどうしても古い画質って思ってしまうよね。だからたぶん、ニコンはかなり練って良い画質にしてきているはず。価格を比べても単純にキヤノンの1.5倍以上の値段を付けているしね。例えば、キヤノンの「TS-E24mm F3.5L」は約16万5000円、一方、ニコンの「PC-E NIKKOR 24mm F3.5D ED」の希望小売価格は30万9750円と高め。

桃井:PCレンズに手が回ってきたってことは、ニコンに余力ができてきたってこと。今後が楽しみだね。