印刷用に入稿された原稿(原画)とフィギュアなど、氏の作品を多角的に展示
(C)2007-2008 永井豪/ダイナミックプロダクション
(C)2007-2008 永井豪/ダイナミック企画(画像クリックで拡大)

デビュー40年たった今でも現役。時代に合った見せ方の研究を常に怠らないという(画像クリックで拡大)

 永井豪自身の最近の作品は、『伊達政宗』『前田利家』『北条早雲』といった歴史マンガが目を引く。

「デビュー当時は、時代物を描いても、ウケないといわれたし、時代物マンガはほとんどない時代で。それで描けずにきたんですけど、もともとデビュー前に描いていたのが時代物ですから、いつかやりたいとずっと思っていたんです」

 前述のデビュー前、19歳の時に描いた作品というのも忍者SF物。88ページにも及ぶ長編だが、この作品を見た石ノ森章太郎は「とても良いと褒めてくれましたが、このままデビューしてしまうと、絵柄が固まりすぎるから、一度壊したほうがいいかもしれないねということを言われました。それから2~3日後には手伝いに来いと呼ばれて」アシスタント生活が始まってしまい、長いことダイナミックプロの書庫に眠っていた。それが43年ぶりに、『殺刃者(さつじんしゃ)』というタイトルで、12月26日発売の増刊『コミック乱 TWINS 戦国武将列伝』(リイド社)に掲載されることに。

 「当時の、どうしてもこの作品でデビューしたいという、必死だった気持ちが甦ってきて、本当にうれしい」

 「マンガ家というのは、編集部の注文に応じなければならないし、また、編集部から提案されるとやれるんじゃないかと思って、そちらの方向で描くものですが、本来の自分らしい作品が、まだまだあるんじゃないかといつも思っています。これからもそういう追求をしていきたい。演出にしても、時代に合った見せ方の研究を常に怠らないようにしています。若いころは忙しすぎて、デッサンをチェックする余裕もなかったのですが、これからは仕事を絞って、丁寧に、完成度の高い作品を作っていきたいと思っています。今の時代、未来がないと感じている若者も多い。ぼくの作品は、地球滅亡も平気で描いてしまいますけど、そういう未来であっても、人間はやっていけると思います。厳しい時代を生き抜けるキャラクターを描くことで、自分の幸せを確認できるような、これからもそんな作品を描いていきたいと思っています」

 デビュー40年を経てなお、新作について意欲的に語るダイナミックな永井豪世界を堪能しよう。

(文/波多野絵理、写真/稲垣純也)

■展覧会詳細
「奇想奇抜~永井豪の40年~」
場   所 サンシャインシティ 文化会館2階展示ホールD(東京・池袋)
開催期間 2007年12月26日(水)~2008年1月6日(日)
開場時間 10時~18時(入場17時30分まで)
入 場 料 高校生以上1000円(前売り800円)、小中学生500円(同400円) 未就学児 無料
サイン会 2007年12月29日(土)、2008年1月5日(土)、13時~14時(当日10時~整理券配布開始)に、永井豪サイン会を実施。会場内で販売される図録購入者のみ、各日先着200人限定。 ※図録以外にサインはしない。サインのみ(イラストなどはなし)
会場では、限定グッズの販売や、セブンアンドワイで独占先行予約されていた永井豪作品の集大成『永井豪撰集』の申し込みもできる

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