シャープと東芝は2007年12月21日、液晶および半導体分野で業務提携することを発表した。これにより、2010年度にシャープは東芝からテレビ用システムLSIを約50%、東芝はシャープから32型以上の液晶パネルを約40%購入することを目指す。両社で基幹部品を融通し合うことで競争力を高め、グローバル市場での生き残りをはかる。
東芝はシャープが堺市に建設中の新工場で生産する第10世代のパネルを調達して自社の液晶テレビに組み込む。この提携を受け、東芝は日立製作所と松下電器産業と共同出資している液晶パネル生産会社「IPSアルファテクノロジ」の保有株を売却する方向で検討しているという。当面はIPS方式とシャープの液晶パネルのVA方式の両方のパネルを利用し、将来的にはVA方式を採用していく方針だ。この結果、「東芝、シャープ、パイオニア」「松下、日立、キヤノン」「ソニ、韓国サムスン電子」の3グループが競い合う構図となる。
シャープは東芝からハイエンドを含む幅広い仕様のLSIの供給を受ける。将来的にはLSI分野の投資を抑え、パネルへの投資に集中する狙いだ。
同日開かれた緊急会見では、東芝の西田厚聡社長とシャープの片山幹雄社長が提携に基本合意したことを説明した。
西田氏は「強いパネル、強いLSIを持ち合うことで、グローバルの競争で勝ち抜きたい。シャープの液晶パネルは画質、環境性能が我々の要望を満たしていたのが提携の一番の理由。シャープの堺工場で生産する第10世代の液晶パネルに期待している」と語った。LSIいついては、「液晶テレビで大きなシェアを誇るシャープの声をLSI開発に生かし、さらに競争力を高めたい」とした。
一方片山氏は、「半導体分野に強い東芝との提携は、事業の選択と集中を進める上で大きなメリットがある。デジタル化が進み、一社完結の物づくりは難しくなってきた。業務提携は必然」と述べた。
今回の業務提携は、今年の夏から話し合いを始めたという。まだ基本合意に至ったのみで、より具体的な内容は今後、両社で詰める。両社長とも記者会見では、提携領域の幅を今後広げることに意欲を見せており、より広い事業分野での協業も期待される。
(文/三浦善弘=日経トレンディネット)











