ソニー

α700

実売価格:17万8000円(ボディー)、
22万8000円(レンズキット)

発売日:2007年11月9日


このモデルの注目ポイント ライバル機種はズバリこれ!
・精細な表示の3型液晶モニター
・ライバル機種と比べて軽量のボディー
・約4段分の補正効果があるボディー内手ぶれ補正機構
・横位置と変わらず撮影できるバッテリーグリップを用意

 今シーズンは、各社からミドルクラスのデジタル一眼レフカメラが続々と登場している。ソニーのαシリーズとしては2機種目となる「α700」も、ニコンの「D300」やキヤノンの「EOS 40D」と肩を並べるミドルクラス機としてデビューした1台だ。2006年7月に発売したエントリークラス機「α100」と比べ、随所にグレードアップした部分が見られる。

液晶パネルは大型の高精細タイプだが、ライブビュー機能は持たない

 α700は、新開発となるAPS-Cサイズの有効1220万画素CMOSセンサーを搭載している。コンパクトモデル「Cyber-shot」シリーズでもおなじみの画像処理エンジン「BIONZ」により適切な画像処理を行い、階調豊かで解像感のある写真を作り出しているという。

 また、デジタル家電の標準インターフェイスとして浸透してきているHDMI端子を搭載しており、HDMI端子搭載の大画面テレビと接続すれば大きな画面で画像を再生して楽しめるのが特徴だ。

αシリーズのハイアマチュア向けモデルとして登場した「α700」。2006年7月に登場した「α100」や、過去のαシリーズのデザインテイストやボタンレイアウトを受け継ぎつつも、さらに洗練された仕上がりになった

 デザインは、一眼レフカメラらしさがありながらも、四角く角張ったペンタ部など、独特な雰囲気を持っている。その独特さをより痛感するのが、シャッタースピードや絞り値などを表示する液晶パネルが省略されているという点だ。

 これを補うのが、背面の液晶モニターに表示される「ナビゲーションディスプレイ」だ。撮影時に、撮影モードや露出補正値、感度などの情報を大きな文字やアイコンで表示してくれるので、とても分かりやすい。また、縦位置で撮影する時は、自動的に縦表示のレイアウトに切り替わるため、どちらの撮影状態でも使いやすさは変わらない点も評価できる。

 また、この液晶モニターで各種の撮影設定を変更できる「クイックナビゲーション」という機能も持っている。これは、ディスプレイ横のFn(ファンクション)ボタンを押してからマルチセレクターで項目を選択し、背面のダイヤルで値の設定を行うというものだ。3種類のボタン類を操作しなければならず、他社製品の同等機能と比べて煩雑さを感じるが、いちいちメニューに入らずに設定を変えられるのは便利だ。

 背面の液晶モニターは、高性能デジタル一眼レフで搭載が増えてきた3型を採用する。現在は、23万ドット程度のものが主流だが、このカメラが搭載しているのは格段に高精細な92万ドットタイプだ。黄色系の色の発色に独特さを感じる部分もあるが、画像は滑らかでコントラストは高い。

 また、パネルの表面にはコーティングが施されており、晴天の屋外でもしっかりと画像を確認でき、見え具合に不満はない。とはいえ、せっかく大きく見やすい液晶モニターを搭載しているのだから、ライブビュー機能も搭載してほしかったところだ。

 ボディーサイズに余裕があるため、3型という大型の液晶モニターを搭載しながら、各ボタンは大きめだ。文字やアイコンも見やすく配慮されており、ボタンを探しにくいことはないだろう。

 ただし、シャッターボタンの近くあるWBボタンやISOボタンは、それを押しながらダイヤルを回すのにちょっと無理がある位置という印象を受けた。また、モードダイヤルや前後ダイヤルが軽く、またちょっと出っ張りがあるため動きやすい。そのため、カメラを肩から提げて持って歩いているうちにとんでもない設定になっていることがあるのが気になった。

 ちなみに、ボディーの大きさの割に重さはそれほど感じられず、持ち歩いてもあまり苦にならない。それでいて、内部のシャーシには高強度のアルミ素材を使い、また外装部にはマグネシウム合金が用いられているため、ボディーを握った時にしっかりとした剛性感が伝わってくる。シャッターを押した時のショックも少なく、ミラーのばたつきなどがしっかりと制御されているという感じだ。また、ボタン回りは防塵防滴処理が施されており、多少のホコリや霧雨程度なら問題ない。

縦位置グリップを装着したところ。正面を見ると、縦位置用のシャッターボタンが中央寄りにあるのが分かるが、これは横位置撮影と同じ構えで撮影するための工夫だ。背面はボタン類の多さに戸惑うが、これも横位置と同じ感覚で撮影できるようになっているためだ

 ファインダーは、コニカミノルタの時代からの特性を継承しており、大きさも十分で明るく見やすいものに仕上げられている。ピントの山もつかみやすく、マニュアルでのピント合わせも十分可能だ。

 また、ファインダーの下とグリップ部分にはそれぞれセンサーがあり、グリップを握った状態でファインダーに顔を近づけるとオートフォーカスが動き出す「アイスタートシステム」を装備する。これにより、カメラを構えればすぐに撮影できる状態になる。スナップやポートレート撮影など、構えてすぐに撮りたいという時には有効だ。

メモリーカードは、コンパクトフラッシュとメモリースティックDuoのダブルスロットを採用する。メモリースティックDuoは、2GBクラスのメディアが4000円台にまで値下がりしているので、予備用途などに1枚入れておくと便利だろう

ズームキットに付属するのは、35mm判換算で24~157.5mm相当をカバーする「DT 16-105mm F3.5-5.6」。他社の付属ズームレンズと比べ、より広いレンジをカバーするうえ、描写力にこだわった設計になっているのがポイントだ

 メーカーが公表したデータによれば、AFのスピードはα100の約1.7倍の速さだというが、その速さは使ってみるとすぐに実感できた。標準ズームレンズが超音波モーターを搭載したタイプではないため、駆動音こそ大きいのだが、すっとピントが合うという印象だ。

 動体予測機能も持っており、コンティニュアスAFに設定すればスポーツ撮影にも対応できる。気になったのは、動いている被写体にピントを合わせる時に、AFの走り出しがワンテンポ遅い感じがするのと、若干のタイムラグの増加が感じられたぐらいだ。