東京では、冬もサマータイヤのままという人が大半だろう。ところが、急な遠出で雪道や凍結路にでくわしたり、たまの大雪で慌てたりという経験は誰しもあるもの。かといってスタッドレスタイヤを買うほどではないし、チェーンを巻くのは面倒だ。そんなときに便利なのが、タイヤチェーンの代わりになる、オートソックという商品だ。

 このオートソック、手にとった感じでは、軽くて、薄い布のカバー。「雪道でも本当に走れるのか」と不安に思うぐらいだが、強力なグリップ力が得られる秘密は、特殊な織り方を施した、ポリエステル製の生地にある。表面の細毛が毛羽立つことによって、地面への粘着力を増しているというわけだ。

 実際に、うっすらと雪が積もった凍結路で、未装着時と装着時、2つのパターンでテストしてみた。すると、未装着のままではまったくグリップせず前進できなかった場所で、装着後にはタイヤが滑ることなくスッと発進できた。続いて、氷上を20km/hの速度で走行し、停止線で急ブレーキをかけてみると、制動距離に大きく差が出てた。スピードを出しすぎていては装着時でも滑ってしまうが、挙動は穏やかで、非装着時よりもコントロールしやすくなる。

 チェーンとは違い、取り付けや取り外しがとても簡単だ。まず付属の手袋をはめ、洋服が汚れないように整える。次に、4WD・FF車なら前輪に、FR・RR車なら後輪にといった具合に、駆動輪となる2つのタイヤ、それぞれに、オートソックのゴムをタイヤの上から半分まで被せる。そして、クルマを前進またはバックさせてタイヤを半回転させ、残った部分をタイヤに被せればOK。多少中心がズレていても、セルフセンタリング機能があるから大丈夫だ。2つのタイヤに装着するのに、5分とかからない。取り外すときは、オレンジ色の紐を一気に引っ張ってはずす。装着時と同様にタイヤを半回転させれば、自然とタイヤからはずれる。1セット1kg弱という軽さで、コンパクトで持ち運びもしやすく、トランクに入れっぱなしでもかさばらない。これなら、気軽に遠出できそうだ。

簡単に装着できるのも魅力(画像クリックで拡大)

 これまでチェーンの装着が難しかった、ホイールクリアランス(タイヤと車体の隙間)の少ないスポーツタイプのクルマにも装着できる。スタッドレスタイヤを履いた場合、トラクションコントロールや、横滑り防止装置を切る必要もない。両者を併せて使うとより効果が出る。チェーンとはちがって、振動やノイズもなく、静かで、乗り心地もいい。凍結路を通過後、乾いた路面をそのまましばらく走っていくのも可能だ。