革命的カウチポテトマシーン

アップルの携帯音楽プレーヤー「iPod touch」。実価格は16GBモデルが4万8800円、8GBモデルが3万6800円(画像クリックで拡大)

 改めて言うまでもなくアップル「iPod touch」の技術的なハイライトはマルチタッチスクリーンにある。これに思わずグッときて、購入に及んでしまった方も多いのではないだろうか。2点を指示して画像を拡大縮小する「ピンチ」や、画面を弾き飛ばしてスクロールする「フリック」などは、まるでスクリーンイメージが弾性や質量を持ったかのようだ。実際、これはモバイル端末向けのインターフェースとしてのみならず、将来的にマウスを置き換えるかもしれない、優れて普遍的な意味を持つ技術だろう。

 Webブラウザーの操作性もそうだ。テキスト部分をタップするとテキストのみが画面横幅いっぱいに拡大するから、画面は小さくても読みやすい。これはバナーに埋もれた画面から読みたい部分だけをクローズアップするのにもいい(もっともこれは商業メディアで声を大にして言うことではないが)。

2点を指示して、その間を広げることで画像が拡大できる「ピンチ」。間を縮めると縮小する(画像クリックで拡大)

 しかしその一方で、iPod touchと付き合ってみて真に革命的だと感じるのは、実際のところ、布団の中で大手動画共有サイト「YouTube」が見られることだ。特にこの寒い時期に風邪をひいて寝込んでいるときには、最高のエンターテインメントを提供してくれるだろう。理想と現実。恋愛と結婚。技術とその実用の間にはそれくらいの隔たりはあるものの、まあ素晴らしいことには変わりないのだ。

 もしあなたが彼、あるいは彼女へのクリスマスプレゼントに何を贈るべきか悩んでいたとしよう。そのとき、先方が都合良く風邪で寝込んでいたとしたら、このiPod touchをプレゼントすれば、相手は大いに喜んでくれるだろう。少なくとも私なら涙目になる。

 それにiPod touchなら何台あっても困らない。先のようにしてWi-Fi端末として使い続けた場合、せいぜい4時間ほどしかバッテリーが持たないからである。バッテリーは交換できないので、電力が尽きたらUSBケーブルを接続するか、別のiPod touchに手を伸ばすしかない。

 ゆえにモバイル端末として外出先で使うには、Wi-Fiのオンオフに神経を使う必要がある。現在、日本のWi-Fi環境は(と言いつつ他国のことは知らないわけだが)実に貧弱である。電波強度の高いアクセスポイントを探しながらウロウロしているうちに、みるみるバッテリーのインジケーターが下がっていく。そして、いざ音楽を聴こうとすると往生することになるのだ。