「『YouTube』と『ニコニコ動画』がJASRACと和解」というニュースが10月30日付けの日本経済新聞に報じられた。どちらもインターネットで人気の動画共有サービスだが、その合法性が不透明だったため、今回の和解は利用者にとっても歓迎すべきことではないだろうか。まだ協議段階ではあるが、日本音楽著作権協会(JASRAC)は暫定的にYouTube上での管理楽曲の利用を容認している。これに伴って同日、EMIミュージック・ジャパンがYouTube上に公式ブランドチャンネルを開設した。
YouTubeの公式ブランドチャンネルとは、企業と契約を結んで公式の動画コンテンツを配信する専用のページのこと。新たなプロモーション手法として注目されており、これまで米ユニバーサル・ミュージックや米ワーナー・ブラザーズ、英BBCなどがチャンネルを開設している。日本でも吉本興業やTOKYO MXなどが利用しているが、日本のレコード会社による公式チャンネル開設は初のことだ。
EMIミュージック・ジャパンの公式ブランドチャンネルはアーティストごとに開設されており、第1弾はスパイス・ガールズ、ダフト・パンク、カイリー・ミノーグの3アーティストが対象となった。各チャンネルでは、日本公式サイトへのリンク、プロフィール、新譜などの最新情報を日本語で掲載しているほか、プロモーションビデオやライブ映像(ダイジェスト)を公開。公開動画はブログなどへの埋め込みも可能になっており、合法的にYouTubeの魅力が味わえるようになっている。
スパイス・ガールズのチャンネルで公開されているのは、「ワナビー」「グッドバイ」「レット・ラヴ・リード・ザ・ウェイ」「ママ」「ホラァー」など12曲。ほとんどが11月7日発売の『グレイテスト・ヒッツ』に収録されている名曲ばかりだ。サービス開始からたった4日間(11月2日現在)で「ワナビー」は9000回近く再生されているほどの人気ぶりだ。
ダフト・パンクは、松本零士によるアニメーションが話題となった「ワン・モア・タイム」や「ロボット・ロック」など7曲。「仕事は終わらない」は、ライブ映像も公開されている。こちらも、11月14日リリースのライブ盤『ピラミッド大作戦』に収録されている楽曲ばかりだ。カイリー・ミノーグも「熱く胸を焦がして」「スロウ」など7曲を公開しており、最新アルバム『X』(11月21日発売)がリリースされれば、その収録曲も追加されるかもしれない。
デジタル著作権(DRM)機能を撤廃したDRMフリー楽曲の配信を推進し、いわゆる「アップル」商標訴訟で傘下の英レコード会社アップルが米アップルと和解したことから、「iTunes Store」での配信も開始した英EMI。こうしたデジタルへの積極的な姿勢は日本にも伝わっており、今回のYouTubeとJASRACの和解はEMIミュージック・ジャパンの動きを加速させたと考えられる。同社は「今後も新譜を発売する洋楽アーティストを中心に毎月公式チャンネルを開設する予定」としているが、矢沢永吉や松任谷由実といった大御所から宇多田ヒカル、東京事変、吉井和哉に至るまで多くの邦楽アーティストも抱えているEMIだけに、今後は邦楽面にも注目したいところだ。
ちなみに、ニコニコ動画はエイベックス・グループが権利を保有する動画の配信を予定している。
(文/コジマリョウヘイ)
■関連情報
・スパイスガールズのブランドチャンネル http://jp.youtube.com/spicegirlsemijapan
・ダフト・パンクのブランドチャンネル http://jp.youtube.com/daftpunkemijapan
・カイリー・ミングのブランドチャンネル http://jp.youtube.com/kylieemijapan
・EMIミュージック・ジャパン http://www.emimusic.jp/
・YouTube http://jp.youtube.com/











