ここ数年ですっかり市民権を得た、顔のシワやタルミをとるようなプチ整形。そのプチ整形に新しい施術法(ACR療法)が登場して、一定層の支持を集めだしている。それは、シワやタルミを取るのに、ヒアルロン酸やコラーゲンなどのフィラー(詰め物)ではなく自分の血小板を注入する方法だ。特徴のひとつは、すぐに効果が出るヒアルロン酸などの注入法とは違って、施術後少しずつ変化していくこと。後になってから周囲が「最近キレイになった」「若々しくなった」と気づくケースが多いため、美容整形手術を受けたことを知られたくない人には、かえってメリットになっているのだ。

 医学的に解説すると、この新しい施術法は再生医療の知見を応用したものだ。使用する血小板は、患者本人から採血した血液を遠心分離させて取り出す高濃度の自己多血小板血漿(PRP)。そもそも血小板は傷口などの出血を止め治癒させる際に働くもので、PRPは、すでに歯科のインプラント治療、骨や歯肉の再生、やけどの治療、皮膚移植などに使われていた。

 ACR療法を考案した久保田潤一郎医師によると、「ACR療法は血小板中の成長因子が細胞に働きかけて症状を改善するもの。フィラーを注入してボリュームを確保し肌を押し上げる従来の方法とは、根本的な仕組みが違う」。細胞を活性化するのに時間がかかるため2週間から2カ月間みる必要があるそうだが、それが先述した「後から自然にきれいになる」効果を生むわけだ。

久保田潤一郎クリニック・久保田潤一郎医師
患者は54歳の女性。よく見ると、術後は目の下のふくらみが少なくなりほうれい線のシワが浅くなっている。左、施術前、右、施術後(画像クリックで拡大)