測定方法について生徒と話し合う石田敦教諭(中央)(画像クリックで拡大)

Keynoteを使って測定結果を発表する生徒たち(画像クリックで拡大)

 東京都港区の広尾学園中学高校は2012年1月27日、アップルのタブレット「iPad」を使った理科実験の授業を公開した。同校では2011年7月に150台のiPadを導入し、授業や研究活動、学習活動に取り入れている。今回は従来の授業で重視されていた実験器具や実験方法に関する指示や説明を受けず、生徒がiPadで実験方法や必要な道具をインターネットで探すとところから挑戦した。

 公開実験授業に臨んだのは同校の1年生。物理の実験でテーマは「重力加速度の測定」。生徒は4人ごとの班に分かれて、iPadを使って測定方法をインターネットで検索し、それぞれ自由な方法で測定した。Webサイトの情報から正しい方法を見つけ出すことで、情報収集および活用能力を高めるのが狙いだ。

 班ごとに測定方法はバラバラで、まったく同じ測定方法がなかった。ある班は自由落下、ある班は振り子などそれぞれの方法を見つけ出し、何度か実験を繰り返し正しい答えを導き出すために協力していた。iPadのカメラを使って、物体が落ちる時間と位置の変化を調べる班もあった。

 実験が終わったら、iPadの表計算アプリケーションである「Numbers」を使って、結果をまとめる。操作に苦労しながらも、各班がそれぞれの答えを導き出した。最後に各班の測定結果をホワイトボードに表示して、全員で考察して授業は終わった。

 授業を担当した石田敦教諭は、「インターネットを利用することで、教科書には載っていない方法が見つかり、それで正しい答えが見つけられれば、より広い知識が身につけられる。振り子などはこれから習う手法」と公開授業の効果を振り返った。

 生徒の1人はiPadの導入について、「社会の授業などで、ニュースを検索したり、歴史的な建物などの写真をすぐに見られて便利。学習進行などもiPadで管理し、先生とのコミュニケーションにも活用している。使い方がわからないときは友達に聞いている」と語った。

 専門学校や大学だけでなく、高校などでも導入事例が増えている。アップルでは教育分野でのiPad普及に向け、新型の電子書籍アプリ「iBooks 2 for iPad」とオーサリングツール「iBooks Author」を今年1月19日に発表したばかりだ。iPadを教育に活用する動きがますます加速しそうだ。

(文/三浦善弘=日経トレンディネット)