「2011年は誰の目から見ても新しい時代に突入したことを実感した年。巨大な果実をいくつも得られた」――。ゲーム会社を中心に構成する業界団体であるコンピュータエンターテインメント協会(CESA)会長の和田洋一氏(スクウェア・エニックス社長)は、2012年1月11日、東京都内で開かれたCESA新年賀詞交歓会で、昨年のゲーム業界を振り返り、こう語った。

コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の和田洋一会長

 2011年は“スマートフォン元年”と言われ、スマートフォンやタブレットのアプリ市場をけん引したのはゲームコンテンツだった。アップルのアプリ販売サービス「iTunes Store」での2011年“トップセールス”は、1位から13位までをゲームコンテンツが独占。上位50個のうち、実に36個がゲームコンテンツだ。

 それらゲームの多くは基本無料で、ユーザーの意思で後からコンテンツを買い足すことができる(買い足さなくてもゲーム自体は遊べる)“Free to Play”型のものや、プレーヤー同士でのコミュニケーションがゲームの柱となる“ソーシャルゲーム”であった。

 2011年9月に開催された「東京ゲームショウ2011」では、ソーシャルゲーム大手のグリーが、家庭用ゲームメーカーと並び最大級のブース規模で出展したことも、ソーシャルゲームの台頭を大きく印象付けた。

 和田会長は、こうした状況を、「新しい芽がいくつか出る、というレベルではなく、巨大な果実をいくつも得られた年で、(新しいビジネスモデルに対する)企業間の温度差も一気に縮まった」と説明した。

 一方で、ゲームコンソール(ゲーム専用機)の新型機「ニンテンドー3DS」や「PlayStation Vita」が登場。ニンテンドー3DSは2011年2月の発売から10カ月足らずで累計約363万台(エンターブレイン調べ、2011年12月18日までの集計値)、PS Vitaは発売初週で累計約32万台(同)と、いずれもおおむね好調なセールスを記録している。

 和田会長は、「3DSやPS Vitaなどのゲームコンソールに加え、スマートフォンやタブレットなど、顧客との接点は増えている。さらには、現在米国で開催されている家電見本市ではスマートテレビ(インターネットに接続してコンテンツを表示できる多機能テレビ)が注目を集めており、我々ゲーム業界のフィールドもさらに広がるだろう」と見通しを語った。

 CESAでは、8月にゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2012」を、9月に展示会「東京ゲームショウ2012」を主催する。これらのイベントでも、大きくビジネスモデルが変わったゲーム産業の動向を見ることができそうだ。

(文/秦 和俊)

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