UQコミュニケーションズは2011年7月6日、世界初となるWiMAX2のフィールドテストを報道陣に公開した。WiMAX2は、下り速度100Mbpsを超える無線通信規格で、既存のWiMAXの2倍以上の高速通信を実現する。2013年早期の実用化を目指す。

 WiMAX2は、同社が現在提供しているWiMAXの技術をより高度化したもので、今年3月にIEEE(米国電気電子学会)においてIEEE802.16mとして標準化された。今年5月に2.6GHz帯の電波を利用する実験試験局の免許を取得し、東京都千代田区大手町周辺で、20MHz帯域幅の電波を利用して、モバイル環境でのフィールドテストを実施。下り100Mbpsを超える無線通信に成功した。

フィールドテスト用のバスにはUQ WiMAXのイメージキャラクター「ブルーガチャムク」が描かれている(画像クリックで拡大)

バスが止まっている状態では150Mbps近い速度を実現。走行中でも80Mbps~100Mbpsは出ていた(画像クリックで拡大)

 WiMAX2の導入目的は、高速通信の実現だけではない。スマートフォンの利用者増加により、モバイルデータのトラフィック量の増大が問題になっている。シスコシステムズの予測によると、2015年の日本のモバイルデータトラフィック量は、2010年の約14倍にまで増える。現行のWiMAXは2012年度中にオーバーフローする見込みだ。WiMAX2の導入は、この問題を解決するためでもある。WiMAXとWiMAX2を併用することで、システム全体の容量を増やし、爆発的に増えるモバイルデータを効率的に処理する。

 WiMAX2の上り速度は50Mbpsと非常に高速なため、HD動画のストリーミングサービスなども可能になるという。料金は、定額制に加え、デバイス別・従量制を導入する見込みだ。電波資源の有効利用のため、通信データの多い機器や利用者には、その分を負担してもらう。

 WiMAXは2009年7月1日に有料サービスを開始し、2011年6月15日に100万契約を突破した。同社の野坂章雄社長は、「順調に利用者が伸びている」と同社のビジネスが計画通りに進んでいると述べた。2012年3月までに200万契約を目指す。好調の要因は、スマートフォンやタブレットなどのパソコン以外の機器の増加と多様化だ。Wi-Fiでこれらの機器と接続できるモバイルルーターが好調に売れているという。もう1つが安さ。1年契約の「定額使い放題」の月額利用料金は3880円。固定インターネットをWiMAXに乗り換えることで毎月の通信費を安く抑えられることから、一人暮らしの学生や社会人に受け入れられていると分析する。配線や工事が不要であることもWiMAXの特徴だ。

WiMAX2のデバイスを持つUQコミュニケーションズの野坂章雄社長。デバイスは米国のGCT Semiconductorと協力して開発している(画像クリックで拡大)

イメージキャラクターの「ブルーガチャムク」(上)。ガチャピンとムックに似ているが、まったく別の生き物という(画像クリックで拡大)

(文/三浦善弘=日経トレンディネット)