熱烈なThinkPadファンがThinkPadを手放せない理由の一つに上げるのが「ThinkVantage」だ。ThinkVantageは、セキュリティー、省電力機能、ネットワーク管理機能、VoPIなどビジネス向けのノートパソコンに必要な様々な機能を統合したソフトだ。Windows 7が登場した2009年10月以降には、パフォーマンスを最適化して、起動時間を大幅にスピードアップする機能を搭載した。2010年3月には、バッテリーの寿命を延ばす新機能を盛り込んだ。ユーザーを引きつける理由とは?

 2010年9月7日、レノボ・ジャパンがThinkVantageで使われている技術的要素の説明会を開いた。

OSを素早く起動する「Windows 7 Lenovo Enhanced Experience」

 Windows 7を搭載したThinkPadには、「Windows 7 Lenovo Enhanced Experience」が搭載されている。パフォーマンスを最適化して、Windowsの起動時間を大幅にスピードアップするThinkVantageの一つの機能だ。

 「CPU使用率」「サービス起動状況」「HDD使用状況」の3つの状況を解析して、起動時間を短縮している。

 CPU使用率を解析し、OS起動初期にストレージ・コントローラーへの不要なアクセスによって発生するCPUの停止状態を改善する。BIOSとドライバーの関係を最適化することで停止状態をなくし、その分だけ起動時間を短縮している。

 OSの起動時に立ち上げるサービス(ソフトウエアやソフトの動作を支えるためのソフト群)の起動状況も解析する。OS起動時に不要なサービスの起動を後回しにして、OSの起動を速めている。OS起動時はHDDへのアクセス状況も解析する。OSが起動するたびにフォントのキャッシュファイルの読み込みが発生するため、HDDへのアクセスが増大してOS起動の遅延を招いている。この読み込み動作をマイクロソフトと協力してOSレベルで改善しているという。こうした様々な解析とOSレベルにまで及ぶ改善により、製品によっては起動時間を50%以上短縮することに成功している。

 ライバルメーカーのパナソニックも同社ビジネス向けパソコンの「Let'snote」シリーズで、起動時間の短縮をうたっている。電源オンからHDDにアクセスするまでの時間を短縮するなどの取り組みをしている。ビジネス向けパソコンでは当然の機能になりつつある。

3つの主な改善により、OSの起動時間を50%以上短縮している (画像クリックで拡大)

改善の1つ、「CPU使用率の改善」。起動初期にCPU停止状態が続く無駄を改善し、起動時間を短縮している (画像クリックで拡大)

サービスの起動状況を最適化することにより、起動時間を短縮している (画像クリックで拡大)

OSレベルでの改善により、不要なフォント・キャッシュの読み込みを減らし、起動時間を短縮している (画像クリックで拡大)