いよいよ、その年のブドウで作られたフランス産ワインの新酒、ボージョレー・ヌーヴォー(Beaujolais nouveau)の解禁が迫ってきた。「50年に1度の出来!」などと報道され、ワイン通は楽しみにしているはずだ。その一方で、市場規模は2004年をピークに減少傾向となっている。08年は金融危機の影響もあり、約55万箱と前年比81%(財務省関税局貿易統計発表)にまで落ち込んだ。

 そんなボージョレー・ヌーヴォーの失地を回復すべく登場するのが、ペットボトル入りの“格安ボージョレー”だ。ペットボトルはガラス瓶に比べて軽量なので、空輸の輸送費が削減できる。通常、ボージョレー・ヌーヴォーは2000円以上の出費を覚悟しなければならないが、流通大手などが販売するペットボトルのボージョレー・ヌーヴォーは1000円以下。1000円でお釣りがくるのなら、「今年は飲んでみるか」と消費者の財布のひもが緩むかもしれない。初めての人や、バブル期以来のカムバック組が購入に動くか注目だ。

 890円という価格で売り出されるのが西友のボージョレー・ヌーヴォー。グランシェド・フランス社の「フランソワ・フッシェ ボジョレーヌーヴォー PET」(750ml)だ。西友は昨年も1279円という低価格で発売し、販売数量が前年対比40%増を記録。こうした流れを受け、さらなる低価格化に踏み切った格好だ。イオングループも980円で「フィリップ・ド・メリ ボージョレ・ヌーボー」を発売する。さらに、解禁日当日には、予約販売してない“お楽しみボージョレ・ヌーボー”を限定店舗で用意するという。ドン・キホーテも880円のボージョレ・ヌーボーで格安戦線に参入する。

 大手メーカーもペットボトルを採用するケースが増えている。例えば、サッポロビールは、ガラスボトルの重量に比べて約75%と軽量な「ラブレ・ロワ ボージョレ・ヌーボー・ペットボトル 2009年」(750ml)を発売する。ラブレ・ロワ社のワインは、世界30社以上の航空会社の機内ワインに採用されているという。希望小売価格(税抜)は1800円と、2000円を切った。このほか、メルシャンもアルベール・ビショー社のボージョレー・ヌーヴォーをペットボトルで発売する。価格はオープン。

「ボージョレー・ヌーヴォー セット2009」(画像クリックで拡大)

 ユニークなのがキッコーマン。飲みきりサイズ(187ml)のペットボトル3本セット「ボージョレー・ヌーヴォー セット2009」を新発売する。『ボージョレー・ヌーヴォー』『ボージョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー ドメーヌ・デュ・シャピトル“ヴィエイユ・ヴィーニュ”』『ボージョレー・ヌーヴォー オーガニック』のセットで、タイプの違うボージョレー・ヌーヴォーを少しずつ楽しめる。希望小売価格(税抜)は2200円。

 ペットボトルでは味気ないという人もいると思うが、実は各社のペットボトルはできるだけガラス瓶に似せて作っている。それを確かめにお店を訪れるのも楽しいかもしれない。

(文/渡貫幹彦=日経トレンディネット)