「機動戦士ガンダム」シリーズの生みの親である富野由悠季監督のDNA(遺伝子)のルーツが、いよいよ明らかになる。現在、日本科学未来館(東京・お台場)で開催している「地球と宇宙の環境科学展」内の特別展示コーナーにて、富野監督の祖先がどのようなルートを通って、日本にたどり着いたのかについて調べた結果を公開する。公開は8月28日(金)から31日(月)までの4日間限定である。

 DNAの解析は、米ナショナル ジオグラフィックが支援する「Genographic Project」で行ったもの。同プロジェクトに富野監督が参加したという情報は、日経トレンディネットにて既報だが、その解析が終了し、このたび初公開となる。

DNA鑑定のために口内の粘膜を採取する富野監督

 富野監督が受けたDNA解析は「ミトコンドリアDNA」解析というもの。これは母方の親からのみ受け継ぐDNAで、細胞の一部あるミトコンドリアの内部に含まれている。受精した際に、精子に含まれているミトコンドリアは消滅してしまい、卵子のミトコンドリアのみの生き残る。そのため、母親から脈々と受け継がれるのだ。

 このミトコンドリアDNAをさかのぼると、1人の女性にたどり着く。約15万年前に東アフリカで誕生した人類の共通の母親「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれる女性だ。Genographic Projectを指揮する、スペンサー・ウェルズ博士のレポートによると、同時期に彼女の仲間はほかのグループが存在していたと見られているが、この女性のミトコンドリアDNAのみが生き残り、他のミトコンドリアDNAは長い歴史の中で消えてしまったとしている。

 最後に残ったミトコンドリアDNAを受け継ぐグループは、分裂しながら世界中に広がった。そのグループの足取りを探るのがGenographic Projectの目的である。富野監督の母方の祖先が属したグループがどのような地域を通って、日本にたどり着いたのかが、初めて明らかになった。その結果は・・・「地球と宇宙の環境科学展」に来場して、その目で確かめてほしい。

(文/渡辺 一正)

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