Windowsなどの汎用OSを搭載した高機能な携帯電話「スマートフォン」の国内出荷台数は、2009年の1年間で207万台に達し、前年より3割増える見通し。矢野経済研究所が市場調査の結果をもとに推計した。製品ラインアップの充実と既存のスマートフォン利用者の買い替えが進む見込み。2012年には通信環境の整備などを背景に、年間出荷台数は365万台まで伸びる。

 この調査でいうスマートフォンとは汎用OSを搭載し、アプリケーションをインストールしてカスタマイズできるほか、音声通話機能とWebブラウザを備え、パソコンやほかの携帯電話と連携できる機種。またアプリを誰でも開発できることが条件。

 スマートフォンは2008年の国内出荷台数が前年比68%増の158万台になるなど、以前から大幅な伸びを記録していた。海外メーカーが相次いで製品を投入したほか、第3代携帯電話の需要が一巡し、携帯電話会社が新たなビジネスチャンスを狙って積極的な導入に踏み切ったことが主な成長要因になったと、矢野経済研究所は分析している。

 好調なスマートフォンだが、いわゆるネットブック(小型ノートパソコン)もデータ通信回線とのセット販売で普及が進んでおり、メーカーはインタフェースなどの差異化を図る必要があるとしている。矢野経済研究所では、今後数年は製品が競合し、そのあとは利用者のライフスタイルに合わせてそれぞれの地位を確立していくと予想している。

 世界のスマートフォン市場は、2009年の出荷台数が前年比11.1%増の1億5193万台になる見込み。製品トレンドとしてはタッチパネルの搭載によるインタフェースの改善がみられるほか、高性能CPUの搭載による性能向上と、低価格プラットフォームの開発による二極化が進んでいる。また巻き返しを図る大手メーカーや新規参入を図るメーカーの多くは複数のOSを採用するマルチプラットフォーム戦略をとっている。2012年の年間出荷台数は2億3080万台に達する見通し。

 2008年7月―2009年3月の期間、矢野経済研究所が携帯電話会社や端末メーカーを対象に直接面談と電話/メールによる聞き取りを行い、併せて関連文献を調査した。

■関連情報
・矢野経済研究所のWebサイト http://www.yano.co.jp/