東芝 HD DVDレコーダー「RD\-A301」(画像クリックで拡大)

 東芝が、自社が中心になって進めてきた次世代DVD規格「HD DVD」から、事実上撤退する見通しになった。ソニー、松下電器産業などが推進する対抗規格「ブルーレイ・ディスク(BD)」とのシェア争いで劣勢に立たされたことから、事業方針を大幅に見直す。これにより、次世代DVDの規格争いはBDの勝利に決着する公算が大きくなった。

 東芝は「HD DVDの今後の事業方針について現在、検討中。現時点で決定した事実はない」(広報)とコメントしているが、週内にも正式決定し発表する模様。

 事業見直しのきっかけとなった最大の理由は、販売不振と見られる。昨年末から今年初頭にかけ、国内、米国とも、次世代DVDに占めるHD DVDの割合が1割未満になるなど、大差の劣勢となった。東芝は今年に入り、HD DVDプレーヤーの価格を大幅に引き下げるなど販売拡大を目指したが、状況を好転するには至らなかった。さらに2月15日、米小売り最大手のウォルマート・ストアーズがHD DVDソフトの販売からの撤退を発表するなど、販路の縮小に追い込まれていた。

 規格の趨勢(すうせい)を支配すると言われる米ハリウッド映画業界の支持も失いつつあった。1月にワーナー・ブラザースがソフトをBDに一本化すると発表。さらに、HD DVD陣営についていたパラマウント・ピクチャーズがBDソフトの支持を表明するなど、今後のコンテンツ展開に難点を抱えていた。