外観こそ目新しさは感じないが、ボンネットの中には新型ロータリーエンジンとハイブリッドシステムが隠されている(画像クリックで拡大)

 外観は普通のミニバン、でも中身は最新エコ技術の集大成。それがマツダのコンセプトカー、「プレマシーハイドロジェンREハイブリッド」だ。市販モデルの小型ミニバン「プレマシー」をベースに、350MPaの圧縮水素とガソリンのどちらでも燃料として使えるバイフューエル仕様の新型ロータリーエンジンを搭載。エンジンはロータリー史上初の横置きとされ、高効率ハイブリッド・システムと組み合わせたパワーパッケージをフロントに搭載、前輪を駆動する。ここまではショーの開幕前に明かされていたが、その具体的な構成についてはいっさい触れられていなかった。

向かって左側にロータリーエンジン、右側には発電機とモーターを重ねて配置する(画像クリックで拡大) ハイブリッドシステムの概念図。エンジンの出力がジェネレーター(発電機)を回し、発電した電力でモーターを回す(画像クリックで拡大)

 車両の周囲に用意されたタッチパネル式ガイダンスシステムで概要を確認すると……、やはりロータリーエンジンのエキセントリックシャフト同軸上に発電機を置いていた。発電した電力は、インバーターを介して蓄電器とモーターへ分配され、モーターから先は減速機→デファレンシャル・ギアへと伝わって駆動輪へ伝わる。つまり、ロータリーエンジンはその出力で直接車輪を駆動するのではなく、ひたすら発電機を駆動する役割に徹する、いわゆる「シリーズ・ハイブリッド」方式を採用していた!

 開発主査である柏木氏と、車種担当の瀬尾氏にお話をうかがった。プレマシーハイドロジェンREハイブリッド自体は2003年、2005年の東京モーターショーにも参考出品されていたのだが、パワーパッケージの構成について具体的には触れてこなかった。実は2005年の時点で、ほぼ現在の構成に落ち着いてたそうだが、まだそのシステムで行くとの決定には至っていなかったために伏せていたという。  横置きにした理由は単純明快、「多くの車種へ対応できるから」だ。試しに「そのまま運転席の後ろに持っていく、とか?」とジャブを打ってみたが、笑顔でかわされてしまった。

実車のエンジンルーム。手前にロータリーエンジン、奥側に発電機とモーターがあるのだが、補機などに隠されて見えない(画像クリックで拡大)

 シリーズ・ハイブリッドも、横置きを前提にもっとも効率の良いパッケージを考えた結論だという。ロータリーエンジン自体の効率を高めるためには、なるべく負荷変動の少ない状態で回転させておきたい。とはいえ、ハイブリッドであっても、マツダらしい“Zoom-Zoom”な走りは手放したくない。そこでエンジン回転数と発電量が正比例するレイアウトとし、変速機構を持たない現在の構成に至ったのだという。フロアから生えているATセレクターレバーのようなものは、モーターの特性を変えるモード切り替えスイッチなのだそうだ。このクルマは一応コンセプトカー扱いとしての出展だが、実際には2008年(もしくは年度)内のリース販売開始を目指している。

(文・写真/松田勇治)