Windows Vista Capable PCに貼られているロゴ
 4月に入って各社から発表された2006年夏モデルの多くには、「Windows Vista Capable PC」というロゴが貼られている。この「Windows Vista Capable PC」とは、2007年登場予定の次期Windowsである「Windows Vista」を動かすための条件を満たしているパソコンのことで、このマークが付いていれば「Windows Vista」へのアップグレードが可能ということになる。

 そのマイクロソフトが示すWindows Vistaを動作させるための条件は以下の通り。

  • メモリー512MB以上搭載
  • DirectX9.0対応のグラフィックスハードウエア搭載
  • 最新のCPU搭載
  • Windows Vista発売後、メーカーが順次必要なハードウエアドライバーを提供すること

 ここで注意したいのは、このスペックはあくまでもWindows Vistaを動作させるための「最低限必要なスペック」だということ。Windows Vistaは企業向け、ホームユーザー向けに数種類リリースされる予定だが、その中で最もベーシックな「Windows Vista Home Basic」を動作させるのに必要な条件と考えていいだろう。

 しかし、Vistaの最終的な動作条件はまだ発表されていないため、これらの条件はまだ曖昧で、具体的にどれだけのスペックがあればWindows Vistaが動作するのかは示されていない。そこでをこれらの条件をもう少し具体的に検討してみよう。

メモリー512MB以上搭載
 メモリーは512MB以上とされているが多ければ多いほどよく、実際には1GB以上欲しいところだ。2005年夏モデルぐらいまでのPCの中には、メモリーを256MB以下しか搭載していない機種が結構あるので、こうしたPCをVistaにアップグレードするにはメモリーの増設が必要になる。

DirectX9.0対応のグラフィックスハードウェア搭載
 DirectXとはマイクロソフトが提供しているマルチメディアのための拡張機能のこと。メーカー製PCはチップセット内蔵グラフィックス機能を使っているものが多いが、インテル製チップセットなら2004年夏に登場したIntel 915以降がDirectX9.0対応で、それ以前のものは対応していない。

 少し古いPCではここが問題になりそうだ。対応していないPCではDirectX9.0対応グラフィックスカードを増設できるかどうかが問題になる。増設用の拡張スロット(AGPスロット、PCI Express 16xスロット)がないPCやノートPCでは増設できないので、たとえWindows Vistaをインストールできても全機能、特に半透明や3Dを利用した「Aero」と呼ばれる新しいインターフェースへの対応は難しいだろう。

 自分のPCが対応しているDirectXのバージョンは、[スタートメニュー]→[プログラム]→[アクセサリ]→[システムツール]→[システム情報]→[ツールメニュー]→[DirectX診断ツール]で分かる。

最新のCPU搭載
 条件が曖昧だが、現在販売中のPCに搭載されていてるIntelのCeleron D、Pentium 4、Pentium D、Core Duo、Core Solo、AMDのAthlon 64、Athlon 64 X2、SempronといったCPUなら問題ないだろう。もちろんCPU性能は高ければ高いほどいい。

Windows Vista発売後、メーカーが順次必要なハードウェアドライバーを提供すること
 ドライバーとは周辺機器やチップといったハードウエアをOS上で動作させるためのソフトのこと。つまりメーカーがWindows Vista対応ドライバーを出してくれなければ、そのハードウエアはWindows Vistaでは動作しないし、そのハードウエアを含むPCの動作も保障されないことになる。「Windows Vista Capable PC」でないPCをアップグレードする場合、実はここが最大の問題になるかもしれない。

4月に登場したばかりの、NECの液晶一体型テレビパソコン「VALUESTAR R VR300/FG」。もちろん「Windows Vista Capable PC」で、手頃な価格と使いやすさで人気が出そうなパソコンだ。NECが4月に発表した2006年夏モデルは一部のノートPCなどを除き、「Windows Vista Capable PC」になっている

富士通の定番A4ノート、BIBLO NBシリーズの夏モデル「FMV-BIBLO NB75S」。モデル数の多いシリーズだが、これはCore Solo、768MBのメモリなど最新スペックが特徴の実用モデル。タッチパッドにペンで絵や文字を手書き入力できる「フラットポイントデジタイザ」も搭載。富士通が発表した2006年夏モデルは全機種「Windows Vista Capable PC」となっている

 以上、Windows Vistaを動作させるための条件を簡単に見てみたが、実際には256MBのメモリやDirectX9.0未対応のグラフィックス機能であっても、Windows Vistaをインストールして動かせる可能性はある。ただし“Windows Vistaの主な機能をまともな速度で動作させる”には、これらの条件を満たしたPCでないと苦しいだろう。そしてそれが「Windows Vista Capable PC」というわけだ。

 Windows XP発表前に、Windows Vista Capable PCと同じようにWindows XPが動作するとされる「Windows XP Ready PC」というものがあったが、その要求スペックは今見てみると低く、Windows XPを“快適”に動作させるものではなかった。ちなみにWindows XP Ready PCの条件は以下の通りだった。

  • Windows 2000 ProfessionalまたはWindows Millennium EditionがプリインストールされたPC
  • Designed for Windows 2000もしくはDesigned for Windows 2000/Meのロゴマークを取得したPC
  • 最低64MB以上のメモリーが搭載されたPC(アップグレード時には128MBを推奨)

 もちろん、「Windows Vista Capable PC」と「Windows XP Ready PC」とでは異なるので同列に考えることはできないが、Windows Vistaを実際に“快適に”使うためには「Windows Vista Capable PC」の条件よりももっと高いスペックが必要になるのは間違いないだろう。(湯浅 英夫)

■関連情報
・マイクロソフト Windows VistaのWebサイト http://www.microsoft.com/japan/windowsvista/default.aspx
・マイクロソフトのWebサイト http://www.microsoft.com/japan/