24bit/48kHzの高音質録音に対応するレコーダー「EDIROL R-09」。約145gと軽量なのも特徴

 ローランドは2006年4月19日、今月28日より発売するWAVE/MP3レコーダー「EDIROL R-09」(以下、R-09)の記者発表会を開催した。R-09は、サンプリング周波数44.1/48kHz、16/24bit(WAVEフォーマット時)の録音に対応したポータブルレコーダーだ。予想実売価格は3万8000円前後。発表会の会場では実機を利用した“生録”のデモが行われた。

 発表会ではローランドの取締役 DTMP開発部門担当の近藤公孝氏がプレゼンテーションを行った。「蓄音機が世に登場したのが約120年前。その後オープンリール、テープ、DAT、MDと長時間化、高音質化が進んできた。R-09は録音というものを、手軽に、そしてより高音質に行うことを目的に設計した」と述べた。設計コンセプトとしては、「プロフェッショナルクオリティー」、「高性能コンデンサーマイクロホンの内蔵」、「ワイシャツのポケットに入る大きさ」、「PC/ネットワークとの親和性」、「バッテリー込みで150g以下(携帯電話並み)の重さ」の5点を挙げた。

 製品説明では、内蔵マイクロホンが基板とは独立して取り付けてあることや、視認性の高い有機ELディスプレイなどの特徴を紹介。また、一般的なICレコーダーは、マイクからの信号を直接デジタル変換することで音がやせてしまい、ノイズが増加しているのに対して、R-09はマイクとA/Dコンバーターの間にアナログ・ゲイン・コントロールを置くことで、最適なレベルでダイナミックレンジをキープしたまま録音できる。さらに、アナログ回路とデジタル回路へ別々に電源供給することで、電源経由時に起こるノイズを低減して、高いダイナミックレンジを確保しているという。

ローランドの取締役 DTMP開発部門担当の近藤公孝氏。ローランドのマルチブランド戦略と、その中のEDIROLについて説明。EDIROLは2001年にスタートして、今年で丸5年になるという R-09の設計コンセプト。24bit/48kHzのプロフェッショナルクオリティーを実現するとともに、ワイシャツのポケットに入る大きさと携帯電話並みの重さを実現している


R-09で“生録”に挑戦

 会場では実機を使用した“生録”の実演を行った。まずは、説明に従ってR-09を設定。といっても、すでに保存形式などは決められており、インプットレベルを調節するだけ。演奏者との距離は約4m程で、インプットレベルは弦楽器の演奏で23~24。音の大きな管楽器で10前後に調節した。実際に録音したサンプルを下のボタンから再生してもらえれば分かるが、いい音で録れている。一切編集を行っていないため、カメラのシャッター音と司会者の声が最後の方に入っているのはお許し頂きたい。

生録風景。左写真ではR-09を斜めに置いているが、これは撮影のため。通常は机の上にそのまま置いて使っても問題はない。演奏者までの距離は4m程度

■サンプル音源1 ■サンプル音源2
弦楽器による演奏(WAV、53秒、9.03MB)。演奏:みつたかString Quartet 管楽器による演奏。実は録音中に一カ所だけピークランプが点灯した場所がある。最後の方をよく聞いてみてほしい(WAV、58秒、9.79MB)。演奏:NEW TIDE JAZZ ORCHESTRA
※注:お使いのPCの環境によっては試聴できなかったり、スムーズに試聴できない可能性があります。あらかじめご了承ください


来年の今頃にはR-09で録音したCDが登場するかもしれない!

レコーディングエンジニアの桑原和男氏。「R-09は“音心”を持ったレコーダー、来年の今頃にはR-09で録音したCDがリリースされているかもしれない」と述べた

 説明会にはゲストとしてレコーディングエンジニアの桑原和男氏が登場。あるクラシックコンサートの音を、ラジオ番組用にR-09で録音したエピソードを紹介した。24bit(144dB)については、「いい音で録ろうとすると、16bit(96dB)ではインプットレベルをぎりぎりまで追い込まなければならない“リスク”がある。24bitならば余裕を持って録音できる。また、R-09は“音心”をもったレコーダーで、簡単にいい音が録れる。ニューヨークのライブレコーディングもこれなら簡単に行えるだろうし、来年の今頃にはR-09で録音したCDが発売されているかもしれない」と述べた。

 発表会後に桑原氏にクラシックコンサートのレコーディングについて詳しく伺ったところ、FMラジオ番組用に録音したとのこと。実際には、演奏途中に演奏者の衣裳がR-09に覆い被さってしまうアクシデントのために、ラジオでは流れなかったが、録音した音(途中まで)は十分ラジオで流せるレベルだったという。(三浦 善弘)

■関連情報
・EDIROLのWebサイト http://www.roland.co.jp/DTMP/index.html
・ローランドのWebサイト http://www.roland.co.jp/
・製品情報 http://www.roland.co.jp/products/dtm/R-09.html