『憑神』より (c)2007『憑神』製作委員会
妻夫木聡といえば、東京ガスの「ガス・パッ・チョ!」のCMを思い出す方も多いのではないか。織田信長や小野妹子、マルコ・ポーロなど歴史上の人物が入れ替わり立ち代りタンスのなかから現れ、部屋の住民である妻夫木クンを驚かせる。突然の闖入者に困惑しながらも、相手の強引な質問攻めに毎回ちゃんと応えてしまう人の良さ。そういえば20歳で主演した出世作『ウォーターボーイズ』でも、女教師に上手く言いくるめられて断れず、男がシンクロをするハメになる人の良さを見せていた。端正な顔からこぼれる爽やかで屈託のない笑顔。なのに、ついぞ貧乏くじを引いてしまうというずっこけキャラが、すっかり浸透している。
もちろん妻夫木聡の、本来の役者としてスタンスはそんなワンキャラに限定されるものではない。逆にデビューから9年、演技の幅は日に日に拡張していくかのよう。おそらく同世代のライバルと言ったら、タイプはまったく違うがオダギリジョーになるのだろう。
人気と実力は言わずもがな、出演した映画作品数がともに過去10年で20本を越える多さ。さらにオダギリジョーも「ライフカード」のCMで好評を得ている点も似ている。ただし決定的な違いは、オダギリジョーが既に30歳を超えているのに対し、妻夫木聡はまだ26歳だということ。つまり彼は、20代で主役が張れ、今後の日本映画界を牽引していく貴重なアクターなのだ。
彼を語る上で欠かせないエピソードが、2006年のハリウッド映画『ワイルド・スピードX3』の出演オファーを受けながら、スケジュールの都合がつかず、結局ワンシーン出演に終わったこと。是非とも次のチャンスをと期待したいところだが、今年だけでも『どろろ』に始まり、『憑神』や『クワイエットルームへようこそ』など4本が公開という忙しさ。残念ながらしばらくハリウッド進出は果たせそうにない?










