Part2:おいしい米は見るだけで分かる! 粒が厚くて透明な米なら間違いなし

 おいしい米を見分けるのは意外に簡単だ。銘柄よりも「粒の厚さ」&「透明感」、この2つのキーワードさえ順守すれば、素人でも容易に目利きができるという。スーパーで米を買うときは、袋の中の米粒をじっくり観察しよう。自分の目のほうが「特A」表示よりずっと頼りになる。

できる限り粒が大きいものを選び 白い米が目立つ商品は避ける 茨城大学教授・農学博士 新田 洋司さん

米のおいしさは見た目で判別できる

 お米を買う際、ブランド名や産地だけで選んでしまい、「名産地として有名な○○産の×××なのに、全然おいしくない」と感じたことはないだろうか。実際、袋詰めされた米を見ると一見違いがないように感じられる。結局は価格、産地、品種などを頼りに選ぶしかないと思われがちだ。

 だが、「ちょっとしたコツを覚えれば、米のおいしさを見た目で判別することが可能です」と、米研究の第一人者として知られる茨城大学教授・新田洋司さん(農学博士)は言う。「目利きポイントは大きく2つ。1つ目は、できるだけ粒が大きい米を選ぶことです」。

 ではなぜ、粒が大きい米はおいしいのか。「米を炊くと、米に含まれるでんぷんが糊化し、糸状になります。この糸が1粒の粒全体に広がると、食べたときに滑らかでおいしく感じられるのです」。度重なる検証実験の結果、米の粒厚(りゅうこう)が厚ければでんぷんの糊化が均一に行われ、逆に粒が小さく粒厚が薄い米ほど糊化が均一ではない、という結論が出ている。

 肉眼では見えないが、電子顕微鏡を使って炊きたての米を見比べると、その違いは明らか。粒厚が厚い米の表面には細い糸が縦横無尽に走り、全体的に均一に見える。一方、粒厚の薄い米では糸があまり見られない。粒厚の薄い米では、なぜ均等に糊化が行われないのか? 「それは解明の途中ですが、現時点では粒が小さくなるほど、米に含まれるたんぱく質や脂質がでんぷんの糊化を邪魔する傾向が強いと考えられています」。

毎日の食卓の幸福感がぐっと増す米選び

 おいしい米を選ぶ2つ目のポイントは、米の透明感。「米は稲の葉が光合成を行い、その栄養分(光合成産物)が珠心表皮(しゅしんひょうひ)を通して内部に入ってくることで成長します。しかし、中には夏の高温などで珠心表皮が早く退化してしまい、うまく内部に栄養分を取り入れられない米も出てきます」。

 そうした出来の悪い米は、でんぷんの詰まりが悪く、分解して小さな穴ができてしまうものもある。そんな米は、光の乱反射により白く見えるのだ。

 「白い米はでんぷんの詰まりが均一でないため、炊いたときに米が相似的に拡大せず、曲がったり折れたりと、いびつな形に炊き上がってしまいます。こうした米は心地いい歯応えがなく、粘りもありません」。

 米を買うときは、できる限り粒が大きいものを選び、白い米が目立つ商品は避ける。たったこれだけのことで、毎日の食卓の幸福感がぐっと増しそうだ。

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