Part1:フリーダイバー 篠宮龍三さんに聞く 海を感じて、触れて、癒される 沖縄の魅力

 呼吸器材を使わずに潜水するスポーツ、フリーダイビング。プロのフリーダイバー、篠宮龍三さんは、ジャック・マイヨール(※)と並ぶ水深105mのアジア記録を持つトップアスリートだ。沖縄のビーチを「禅の庭のよう」と話す表情は、武道を極めた勇者のように穏やかでいて情熱的。その場の空気をふんわりと包み込むような包容力を感じさせるほど。「One Ocean」を自身のメッセージとして掲げ、フリーダイビングを通して海とのつながりを伝える篠宮さんに、活動の拠点とする沖縄の魅力、リラクゼーションの世界へと導いてくれるフリーダイビングについて聞いた。

禅の庭園のような砂地にカラフルな世界

 世界の海を潜っていますが、沖縄はやっぱり一番きれいで一番好きな海です。水の透明度、魚やサンゴのカラフルさは一番。そして、沖縄の白い砂地は禅の庭園のようです。波模様の砂紋があって岩があり、そこにサンゴがあって小さな魚が群れている。箱庭のような美しさがあって、まるで枯山水。日本的な情緒を感じるんです。沖縄は、太陽の光が強く、日中は真上から太陽が照っているのでとても明るい。マジックアワーと呼ばれる夕方には、柔らかい光が斜めに射し込んで水中がオレンジ色になっていくんです。フリーダイビングをしていても明るいんですよ。50m、100mの世界になると、明るさはかなり失われていきますが、伊豆や地中海に比べて明るいので、恐怖心がなくリラックスして潜って行けるんです。ライトブルーから深い青に変わっていくグラデーションを眺めながら潜っていくのが醍醐味ですよ。

ジャック・マイヨールと「グランブルー」

 僕がフリーダイビングと出会ったのは、学生の頃、探検部で活動していて、ある時先輩にすすめられて、映画『グランブルー』を観たのがきっかけです。ジャック・マイヨールをモデルにした映画ですが、素潜りをしている海中のシーンが美しかった。こんなスポーツがあるのかとものすごく衝撃的で、すっかりはまってしまいました。

 初めてのフリーダイビングで25mほど潜った時、水面も遠く、人も小さく見えてずいぶんと遠いところに来てしまったなと思いました。でも、驚きつつも心地よさを感じました。フリーダイビングというスポーツは日常からかけ離れていて、とっつきにくいスポーツですが、簡単には踏み込めない極限の世界にちょっと触れあえるのが楽しいんです。

(※)編集部註:フランスのフリーダイバー。1927年4月1日- 2001年12月22日。1966年、素潜り世界記録を達成。その後素潜りで人類初の水深100mを超える記録を作る。『グラン・ブルー』(1988年、リュック・ベッソン監督)は自伝をもとにした映画。
オフィシャルHP Jacques Mayol Offical Site

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