(文=中村 孝則:コラムニスト)

美味しい朝ご飯のための早起き

 東京は朝がつまらない。

 東京について、国内外の人からたびたび聞かれるコメントである。

 ナイトシーンの充実ぶりに関して言えば、東京が世界屈指の街であることに異論を挟む人は少ないだろう。比べて朝はどうなのだろうか?

 たとえば、食のシーンについて考えてみたい。朝にまともで楽しい食事ができる店が都心にどのくらいあるのだろう? チェーン系のバーガー店やコーヒーショップ、ファミレス以外でまともで美味しくて楽しい食事ができる場所が、東京は極端に少ないと気づくはずだ。

 一方、海外はどうだろう。イタリアやフランスなど欧州の街の朝には、カフェやバールで食事やお茶をするカフェ文化がしっかり根付いている。ベトナムの朝は美味しいフォーで始まるし、シンガポールにはバクテー(肉骨茶)という伝統的な食文化もある。実にうらやましい限りである。

 「美味しい朝ご飯が食べたくて早起きしたくなる店が、東京にもっとあればいいのに」と願うのは筆者だけではないはずだ。しかも昨今は、健康志向や朝型志向で、潜在的なニーズやマインドも高まっているはずではないだろうか……。