1961年開業の多摩テックもついに閉園(画像クリックで拡大)

 営業最終日に多摩テックを訪れた。朝から冷たい雨が降り続いていたので、入場者は少ないと予想したのだが、それは見事に裏切られた。駐車場はほぼ満杯で、ホンダの往年の名車が並ぶなど熱心なファンが来場しているようであった。

 チケットを買って久々に多摩テックに足を踏み入れた。起伏を生かした地形が懐かしい。最初で最後の訪問となる友人と一緒に、園内を傘も差さずに一回りした。平日にも関わらず親子連れが多い。親は昔を懐かしんでの来園だろうか?

 アトラクションはどれも長蛇の列だったが、最後なので1時間近く並んで懐かしいアトラクション「でんでん虫」に乗った。でんでん虫は地上から約10メートルの高さに設置されたレールの上を走る、カタツムリの形をした乗り物だ。でんでん虫という名前には相応しくない加速とスピードで、園内を俯瞰で楽しむことができた。ガタガタとレール上を進みながら山頂を見ると、観覧車が雨で霞んでいた。

 日が暮れるとグランド・フィナーレのコンサートが開かれた。いよいよ最後だ。手塚治虫デザインのキャラクター「コチラ」が子どもたちに愛嬌を振りまいている。周囲を見回すと売店の名物おばさんがお客さんと名残惜しそうに記念写真を撮っている。みんな思い思いに最後の時を迎えている姿が確認できた。そしてコンサートも終了し、いよいよ閉園の時間となった。多摩テックのスタッフが花道を作り来場者を出口へと導き始めた。雨の中「今までありがとう」、「元気でね!」とスタッフとお客さんが握手を交わし送り出されていく。その列は名残惜しそうに、時間の経過を拒むようにゆっくりと進んでいった。

 私たちも見送られて外に出た。ゲート前は名残惜しそうに写真を撮る人でごった返している。48年間の歴史の最後を記録しているのだ。帰り際、ゲートに貼られたキャラクター「コチラ」のバナーが目に入った。よく見るとコチラのイラストは多摩テックスタッフのプリクラをモザイク状に貼って描かれた物だった。近づいて見るとどの顔も笑っている。素敵な笑顔だった。その左には「48年間ありがとう」の文字があった。

スタッフの笑顔で書かれた多摩テックのコチラ(画像クリックで拡大)

プロフィール

三井 公一

フォトグラファー。有限会社サスラウ、サスラウ・インコーポレイテッド代表。

在学中よりスポーツ新聞や写真週刊誌の撮影に従事し、新聞社の出版写真部を経てフリーに。

その後自動車メーカーのウェブサイトの制作に参加。写真やビデオ映像を使用したコンテンツに関わる。

現在は様々なアウトドアスポーツを楽しみながら、日本および世界各地をブラブラと撮影中。
www.sasurau.com