モータージャーナリスト=清水 和夫 氏

ホンダ新社長の会見

 7月13日、ホンダの新しい顔となった伊東孝紳社長の合同記者会見が行われた。青山(東京・港区)のホンダ本社に集まったのは、自動車専門誌の編集者とフリーのジャーナリストたち。

 この席にはホンダのハイブリッドスポーツカー「CR-Z」のプロトタイプが展示され、2010年2月に市販することが正式に発表された。さらに2010年度中には「フィット」のハイブリッド車(HV)も販売を開始するという。

 「インサイト」「シビックハイブリッド」に続き、「IMA(Honda Integrated Motor Assist System)」を積んだホンダのHVシリーズが本格的にラインアップされることになる。

 伊東社長は「これからのパワープラントは、内燃エンジンと電気モーターが一体となった形で進化するだろう」と、ホンダのすべてのクルマがHV化することを示唆していた。

 一方、ディーゼルに関しては、一応クリーンディーゼルを開発したものの、白金などのレアメタルのコストが高く、欧州以外の地域では販売を見合わせている。今後も欧州では販売を続け、クリーン化とコストダウンに向けて開発は進めるが、日米では当面、市販するつもりはないという。

 記者会見の冒頭では、生産の「柔軟性(フレキシビリティ)」と「ハイブリッド化」、そして「ダウンサイジング」という3つのキーワードを示したが、その言葉の裏側には、ホンダでなければできない独自技術にこだわるという意志も隠されているようだ。

 いずれにしても、HVが新しいホンダの出発点に立つクルマであることが示された記者会見であった。伊東社長の船出とともに、今後のホンダの成長が期待される。

伊東孝紳ホンダ社長と「CR-Z(コンセプトモデル)」