(文=長谷川 ゆか)

 8月中旬、モナコを中心としたヨーロッパ諸国が、大西洋で捕獲されるクロマグロ(本マグロ)を禁輸することを検討しているというニュースが大々的に報道され、日本をはじめ世界を駆け巡った。モナコは来年3月に開かれるワシントン条約締約国会議において、トロや大トロとして高級寿司屋や料亭に出回るクロマグロが、大西洋において絶滅する恐れがあるとして、取引を禁止する提案を提出するという。これに先立ち今年6月には、セレブ御用達レストランとして知られるロバート・デ・ニーロが共同オーナーを務める日本食レストラン「ノブ」が槍玉に挙がり、シエナ・ミラーやモデルのエル・マクファーソンらが先陣を切って“トロをメニューから撤廃せよ!”との抗議の手紙を送るキャンペーンを開始。ロンドンで大きな話題になったのは、記憶に新しい。今やロンドンのフード・シーンにおいて、エシカル(倫理的)に捕獲されたもの、飼育/養殖されたものを食べることが、ひとつの潮流となっている。彼らにとって、絶滅の危機にある“大トロ”を平然と食べることは言語道断なのだ。そして、トロに続く次なるターゲットは“肉”である。故人であるリンダ・マッカートニー(ポールの妻)や、今や世界的に有名なデザイナーとなったステラ・マッカートニー(娘)とともに、家族中がベジタリアンであることで知られるポール・マッカートニーは、“ミート・フリー・マンデー”と銘打った大キャンペーンを立ち上げ、今ロンドンで旬のトピックスとなっている。“ミート・フリー・マンデー”(肉なしの月曜日)、つまり週に1度は肉を食べない日を設けようという提案である。ポールは、人々にベジタリアンになれと訴えているのではないというが、さてその真意とは──。