無音時には、まるで無響室に入ったような印象

 「MDR-NC300D」の静けさは圧倒的で、なんと、周囲の騒音を98.4%も低くすることが可能だという。数字を聞いてもピンとこないが、実際に装着してみると、誰もが驚くほど。昔、メーカーの無響室に入れてもらったことがあるのだが、無音時にはそのときの印象が蘇ってくるほど静かなのだ。

 この秘密は、「MDR-NC300D」に採用されたノイズキャンセリング機構にある。ノイズキャンセリングヘッドフォンは、騒音に逆位相の音を重ねてうち消す方法が一般的。ちょうど、波の高い部分に、低い波をぶつけて波の高さを低くするようなものだ。

大口径の16mmドライバーユニットを採用した「MDR-NC300D」。フレームもガッチリしており、解像度の高い音を実現。耳の形に合わせて選べる7種類のイヤーピースが付属する。

 「MDR-NC300D」も、同じ仕組みを使っているのだが、違うのは信号をデジタル処理しているところ。2008年4月に発売された、世界初のデジタルノイズキャンセリングヘッドホン「MDR-NC500D」と同じ仕組みを採用。ヘッドフォンに内蔵されたマイクで騒音を検知してデジタル化することにより、それをうち消す逆位相の音を、高精度に発生させる。そのため、アナログ式と比べて、ずっと騒音レベルを低くできるのだ。

 しかも、デジタル化によって、信号の補正を細かに行えるようになったため、精密なイコライジングも可能になった。おかげで、ノイズキャンセリング機能の影響は最小。一般的なノイズキャンセリングヘッドフォンのように、低音が不自然にブーストされたまま、音が出てくることももない。いったんブーストした低音を、きちんと補正しているため、肝心の音楽だけを楽しめるのだ。

ノイズキャンセルの仕組み。ヘッドフォンのマイクで拾った騒音をデジタル化して、DNC(デジタルノイズキャンセリング)ソフトウェアエンジンで逆位相の音を発生。騒音をうち消す。デジタル化により、高精度に騒音をカットできる。(画像クリックで拡大)