ドギーバッグとは、外食した際に食べ切れなかった料理を持ち帰るための容器のこと。アメリカなどで、「犬のエサにする」という口実で持って帰ったのが語源だという。長引く不況の影響とエコの観点から、日本でも昨年秋ごろから、このドギーバッグが注目を集めている。
販売元のレアック・ジャパンによると、ドギーバッグの販売を開始したのは2008年10月。デザイン雑貨の製造、販売をしている同社は、これまでもカラフルでスタイリッシュなマイはしやエコバックなど環境に配慮した商品を扱ってきた。そこで、日本の食料自給率が約40パーセントと低いにも関わらず、残飯廃棄量は世界一という現状の解決策として、欧米では定着しているドギーバッグの習慣を新たに取り入れたのだという。プラスチック製のドギーバッグは折り畳んで携帯し、洗って繰り返し使用できる。
NPO法人ドギーバッグ普及委員会が2009年12月に行ったアンケート(全国の大学、飲食店にて10代から70代の男女332人が回答)によると、「食べ切れなかった料理の持ち帰りに賛成」と答えた人は90パーセント、さらにドギーバックのことを知っている人は30パーセントで、2008年に行ったアンケートの認知度1パーセントを大きく上回る結果となった。また、2010年1月下旬からイトーヨーカドーやイオンなど大手量販店でも販売を開始したほか、メディアにも紹介された影響もあり、レアック・ジャパンの出荷数は、2009年1月が2000個だったのに対し、2010年1月は約1万個と5倍近い伸びとなっているという。
2009年末からカラフルな「ベネトン エコドギーバッグ」や、浅い形状の「ドギーバッグ フラット」など新たなラインナップが加わり、種類も豊富に。また、おしゃれなデザインなので、余った料理を持ち帰る以外にも、手作りの料理やお菓子を持参する際のギフトボックスとして利用する人も多いそうだ。一方、地域単位の取り組みも始まっており、東京・自由が丘商店街や千葉県では、地域でオリジナル商品を作成するなど普及に力を入れている。また、JA宮崎中央会ではオリジナルの「自己責任表明カード」を作成。飲食店は衛生面や食中毒を心配するため、職員が率先して店でこのカードを掲示し、余った料理を持ち帰る運動を展開しているという。
一昨年の販売当初は全く認知されておらず、営業先の飲食店でもけげんな顔をされたそうだ。しかし最近は飲食店側の関心も高く、レストランやホテルにも販路を広げているという。店のオリジナルドギーバックの制作依頼もあり、ある和食店のオリジナルは黒地に金の柄という高級感あふれるデザイン。常連さんがおにぎりなどを詰め2軒目にお土産に持っていく用途に使われており好評なのだとか。余った料理を持ち帰ることは、「みっともない」から「もったいない」という意識に変わってきており、今後個人レベルにもドギーバッグが定着するかもしれない。
(文/池田明子=フリーエージェント)



