「ジェルクール」840円。Sサイズ(10cm×9cm×6cm) 220ml。コーン、アスパラ、Apple、ハスカップ、Potato、Sky、土、雪の全8色。2006年にグッドデザイン賞を受賞。(画像クリックで拡大)

 「お弁当でも、冷たい物は冷たいまま食べさせたい」「これからの季節は食中毒が心配」――そんな主婦の要望から誕生した、フタと保冷剤を一体化させたランチボックス「ジェルクール」が売れている。冷凍庫で一晩凍らせたフタをセットするだけで、30℃の気温でも約3時間以上の保冷効果をキープできる。

 2006年の発売後、3年間で累計10万個を売り上げていたが、今年になって突如、人気がブレイク。上半期の売上だけで3年間の累計販売個数を超えてしまった。製造販売元のジェルデザイン(札幌市)は「昨年来の全国的な弁当ブームと、販売個数が10万個を超えたことによる認知度アップのタイミングがぴったり合ったのでは」と分析。出荷するそばから売り切れるため店頭では欠品状態が続き、同社通販サイトでも「7月末まで発送できない」と告知したほど。「二度も売上予測を上方修正しているが、それでも追いつかない」と嬉しい悲鳴をあげている。

 同社は、北海道大学大学院理学研究科の高分子研究室でジェルの研究に携わっていた仲間たちが集まり、ジェルの新しい可能性を追究するために2004年に立ち上げたベンチャー企業。このランチボックスは、自社製品の開発を模索していた社員が、異業種交流会に参加した主婦の言葉にヒントを得て企画。試作段階では地元の子育て支援団体のメンバーにモニタリングを依頼しアイディアを取り入れ、デザインでは北海道の農産物や自然をコンセプトカラーにするなど、家族や北海道への愛が色濃く投影された商品だ。

(文/桑原恵美子)