「かまどで炊いたご飯がおいしい」ことを知ってはいても、自分で炊いた経験がある人はほとんどいないだろう。そんな「ご飯のかまど炊き」を子供と一緒に体験できる施設が昨年、滋賀県高島市にオープンし人気を集めている。発案者は農業生産法人「ブルーベリーフィールズ紀伊國屋」社長の岩田康子氏。数年前、徳島の農家をお昼どきに訪ねた際、「うちではお客さんに自分でご飯を炊いてもらうしきたり」と言われ、かまどでご飯を炊いた。その時のおいしさと感動が忘れられず「これは日本人の食の原点。一人でも多くの人に体験してもらいたい」と考え、広大な農地を利用してエコツーリズムを体験できる施設「安曇川泰山寺ソラノネ KINOKUNIYA」を作った。「味噌作り」「餅つき」「漬物」など季節に応じたさまざまな食の体験イベントを開催しているが、「ご飯のかまど炊き体験」は通年開催。
昨年の5月末のオープンから約半年で600人もの参加者があり、特に夏休みシーズンは5基あるかまどが1日3回フル稼働するほどの盛況だった。小枝で火を起こすこところから始め、1時間余りも自分で火を調節しながら炊いたご飯の味は贅沢な味に慣れた子供にとっても格別のよう。「家ではおかわりしたことがない子供が3杯もおかわりをした」と驚く親も多い。スタッフは「炊き上がりの上手下手に関係なく、自分で苦労して炊いたご飯には愛着がわくのでしょう。この体験をきっかけに、食や農業に対する愛情が育ってくれればうれしい」と期待を寄せる。(文/桑原恵美子)





