「アイスモンスター」「グズマンイーゴメズ」(Guzman y Gomez、以下GYG)「ドミニクアンセルベーカリー」と海外で人気の飲食店を次々に“日本初上陸”させ、表参道・原宿エリアで大行列を作り出したトランジットジェネラルオフィスの中村貞裕社長。2015年注目のヒットの仕掛け人に、表参道エリアへのこだわりと次の狙いについて聞いた。

トランジットジェネラルオフィス 社長
中村貞裕(なかむら・さだひろ)氏
伊勢丹を経て、2001年にトランジットジェネラルオフィスを設立。ホテル「CLASKA」、カフェ「Sign」「bills」「MAX BRENNER CHOCOLATE BAR」など多数の施設やカフェ、レストランを手がけるほか、アパレルブランドと組んだ飲食事業も展開。2015年春、台湾人気ナンバーワンかき氷「アイスモンスター」、オーストラリア発のプレミアム・メキシカンファストフード「グズマン イー ゴメス」、死ぬまでに行きたいNYのペイストリーショップ「ドミニクアンセルベーカリー」を表参道にオープン。常に話題のスポットを生み出すヒットメーカーとして注目を浴びている。
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――今年は4月29日に「アイスモンスター」と「グズマンイーゴメズ」(Guzman y Gomez、以下GYG)、6月20日に「ドミニクアンセルベーカリートウキョウ」と表参道・原宿エリアで3店の出店が続きました。どれも人気ですね。

トランジットジェネラルオフィス 中村貞裕社長(以下、中村): 台湾かき氷のアイスモンスターは、昨年8月の台湾旅行で見つけました。通常、出店するまでは準備に1年から1年半はかかるんですが、どうしても今年の夏前に出したかったので急ぎました。昨年くらいから、かき氷がなんとなくはやっていましたよね。火種のあるうちに出せば、かき氷ブームの火付け役になれると思ったんです。来年だとかき氷のテンションはもっと落ちるだろうと予想し、今年の夏前、できればゴールデンウイーク前に出そうと決め、それまでにできなければやめるつもりでした。

 メキシカン・プレミアムファストフードのGYGも本当は昨年出店したかったのですが、店舗探しに時間がかかって遅れてしまったんです。ゴールデンウイーク前と後なら、前のほうがいい。それでどちらも同じ日になりました。2店舗同時にオープンすれば、メディアにも取り上げてもらいやすいですしね。ただこれが3店舗になるとみなさんの興味が分散しそうなので、ドミニクアンセルベーカリーは少しずらすことにしたんです。

――表参道・原宿エリアにこだわったわけは?

中村: オーストラリアのレストラン「bills」の4号店を表参道に出したとき、表参道のパワーを実感しました。だから、チョコレート専門店「マックスブレナー」の1号店を表参道に出したんです。これが非常にうまくいったので、表参道エリアにこだわりました。

――海外の人気店の中から日本ではやる店を見つけるのは難しいのでしょうか。

中村:  実はそれほど難しくありません。僕たちが探しているのは、知る人ぞ知る隠れた名店ではなくて、ガイドブックに載っているような人気店ですから。海外で本当に人気があって行列している店に行き、実際に食べてみておいしいかどうか。

 ただ、海外ならどこでもいいわけではなくて、ニューヨーク、ハワイなど日本人が旅行するところ、好きなところで探します。「インドで大人気」「アントワープで朝から行列ができる店」などといわれてもピンとこないですよね。それよりも、やっぱりニューヨークやハワイなんです。台湾も最近話題になることが多い。

 女性誌で丸ごと一冊特集になるくらいなじみのある都市であることが重要です。事前にガイドブックとかインターネットなどで人気店の情報を調べ、気になる店をリストアップしたら、現地の信頼できる人に見てもらい、本当に評判の良い店から足を運ぶようにしています。

――日本向けにメニューを変えたり、味を調整したりするのでしょうか。

中村: 味もサイズもメニューも、すべてそのまま持ってきています。人気店ですから、日本人の中にも現地で食べたことがある人がけっこういます。そういう人たちに「本場と違う」と言われるのはよくないので。

 海外で行列ができていても、日本人が好きそうな味でなければ(日本に)持ってきません。ただ、アイスモンスターの冬の温かいメニューは例外的に外しました。見た目はお汁粉っぽいのに味が変わっていて、日本人の味覚には合わないと思ったからです。かき氷を食べずにこのメニューだけ食べて「アイスモンスターはまずい」と思われたら困りますから。今はもっとおいしい“台湾冬スイーツ”を開発中です。

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