思春期を迎え、胸がふくらみ始める女の子はどんなブラジャーを着けたらよいのか。ワコールの調査研究によると、バストの形や堅さが大きく変化するのは初経の前後4年間。同社は、バストの成長変化を大きく3つの段階に分け、「適切な時期に適切なブラジャーを着ける」ことを提唱する。すなわち“胸がふくらんでいく度合い”に応じて必要な機能を持たせた「成長期専用のブラジャー」だ。その必要性について「お母さん方の理解は残念ながらまだ低い」(同社)のが現状だという。一体どういうものなのか?

ワコールの調査研究によると、思春期の女子の成長変化は大きく3つの段階に分けられる。ステップ2以上の段階になってもブラジャーを着けていない子もおり、「揺れて人目を引くのが最も良くない」と指摘する(画像提供:ワコール)
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※本記事は、ブラを着け始める導入世代に向け、「10歳からのブラ提案」を強化するワコールに取材した子ども用ブラジャーシリーズの第2回。「オトナの体へと成長する女の子、『初めてのブラ』はいつが適切なのか?」の続きです。ぜひあわせてご覧ください。

バストの成長変化にみられる法則

 1990年代に入って「着け始めブラ」のPR活動を強化した婦人下着メーカー最大手のワコール。きっかけは、「胸の発育が早まっている変化をメーカーが感じとった」(広報担当の福岡智亜紀さん)からだった。1つはデータの分析、もう1つは店舗における問い合わせの増加。「大人用のブラジャー売り場に小学高学年ぐらいの娘を連れてきて、『胸がふくらみ始めたんだけど、この子が使えるブラはないかしら?』と相談する母親の姿もあった」(同)という。

 ワコール人間科学研究所(※)では1976年から4~18歳の女子のべ4500人のバストの変化も計測している。実測データの分析から、同社は思春期の女子の成長に特有の共通点を見いだした。それは「バストの発育は初経の前後4年間に3つのステップで成長する」という法則である。

(※)ワコール人間科学研究所は1964年以来、50年間にのべ4万人を超える日本人女性の体を計測し、同じ女性の体形変化を追った時系列の調査を含む、他に例をみない実測データを収集。

 女の子の胸の発育が早まる「実測値の変化」を「販売の現場」で実感したということだろう。そこでワコールはバストの成長変化を大きく3つの段階に分け、年齢基準ではなく、“発育の度合い”に合った機能を持たせた「ステップ別の成長期専用ブラジャー」シリーズを1996年にスタートさせた。

バストの発育は、女性ホルモンの作用である初経の時期に関係する。ふくらみ始める年齢には個人差があるが、ワコールの調査研究によると、どの子も初経前後の約4年間に、ステップ1~3の順序で変化するという「バスト成長の法則」があることが分かった(画像提供:ワコール)
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【子どものバスト変化の成長ステップ】

ステップ1「めばえる」⇒ステップ2「ふくらむ」⇒ステップ3「丸くなる」

・バストの発育の変化は「形」と「堅さ」という2点で起こる
・ふくらみ始める時期は初経と関係があり、年齢には個人差が見られる
・初経(※)の前後、約4年間で大きく変化し、どの子もステップ1~3の順序をたどる
・初経の1年以上前からふくらみ始め、初経の時期のバストはステップ2に該当する子が多い

(※)現代女性の初経を迎える年齢は10~15歳とばらつきがあり、個人差は大きいものの平均年齢は12.3歳(日本産婦人科学会 1997年)と低年齢化の傾向が認められるという。