ロボホンが目指すのは“キラーハード”

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――すると人型ロボットの意義はどこにあるのでしょうか?

高橋: 人型の意義は、擬人化、つまり利用者が感情移入しやすいことにあると思います。だからこそ人型ロボットの大きな役割としてコミュニケーションが注目されるわけです。人々は感情移入さえすれば金魚やぬいぐるみにだって話しかけます。それが人型をしたロボホンならもっと簡単に感情移入してくれるでしょう。実は、コミュニケーションロボットは、「ロビ(Robi)」が10万台以上売れる大ヒットになるなど、世界中が注目している分野なのです。

 その一方でクラウドAIの進化によってスマホの音声認識は飛躍的に向上しています。でも、残念なことにあまり使われているようには見えません。いくら性能が良くても四角い箱に話しかけることに、抵抗を感じる人が多いようです。

――だから、スマホに手足頭を付けて擬人化したと。

高橋: そうです。実は中身がスマホであることはかなりのメリットを生み出します。スマホはパーソナル端末なので、一家に一台の時代を経ることなく、いきなり一人一台からスタートできます。販売チャンネルとして携帯電話ショップが使えるのも魅力です。ロボット専用店でしか扱わない商品だと、多くの人に見てもらうことができません。購入する側もスマホとして使える実用性が担保できるので、購入の言い訳が成立します。こうしてロボホンは、電話のふりをして人々の生活に潜り込んでいくのです(笑)。

――そして気が付くと、ロボホンに自然に話しかけるようになっていく……。

高橋: おそらく最初はSNSにつぶやくようなことを話しかけるようになるのではと考えています。ロボホンもクラウドAIを使っているので、日々データが蓄積され、ユーザーに合った会話やサービスが返せるようになる。“物知りで賢い小さな相棒”になっていきます。

 それはゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじのような存在です。実は、目玉おやじは敵の弱点を教えてはくれるものの、敵を倒してくれるわけではない。でも、何より鬼太郎の話し相手です。

 ロボホンと日頃会話を重ねることで、やがて信頼関係が生まれ、そこからさまざまな新しいサービスが生まれるはずです。

――ロボホンの未来は明るいですね。

 よくキラーコンテンツという言葉を聞きますが、“キラーハード”という言葉は聞きません。でも僕は絶対にハードウエアがあってこそのコンテンツだと思うんです。魅力的なキラーハードが生まれ、そのコンテンツをクリエイティブな人たちが一生懸命作るからキラーコンテンツが登場するのです。このことはファミコンしかり、iPhoneしかりですよね。僕はロホボンをキラーハードになってほしいと願っています。そのために必要な要素は全力で詰め込んだつもりです。ぜひ、ロボホンを手にして、人とロボットの新しい関係、そしてそこから生まれる新しい技術やサービスを体感してください。

10月6日の発表会に登壇した高橋氏とロボホン
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(構成/渡貫幹彦)

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