シャープが10月6日に発表したロボットスマホ「ロボホン(RoBoHoN)」。特徴は人型のコミュニケーションロボットとして、持ち歩けるほど小型化したことだ。このロボホンをシャープと共同開発したのが、ロボットクリエーター高橋智隆氏。ロボホンがなぜ人型で小型なのかを中心に話を聞いた。

高橋智隆(たかはし ともたか)氏
1975年生まれ。2003年京都大学工学部卒業と同時に「ロボ・ガレージ」を創業し京大学内入居ベンチャー第一号となる。代表作にデアゴスティーニ「週刊ロビ」、グランドキャニオン登頂に成功した「エボルタ」、ロボット宇宙飛行士「キロボ」など。ロボカップ世界大会5年連続優勝。米TIME誌「2004年の発明」、ポピュラーサイエンス誌「未来を変える33人」に選定。ロボ・ガレージ代表取締役、東京大学先端研特任准教授、大阪電気通信大学客員教授、グローブライド社外取締役、ヒューマンアカデミーロボット教室顧問
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シャープが発表した「ロボホン(RoBoHoN)」。高さ約19.5センチと持ち歩けるサイズを実現した
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――「ロボホン」の魅力を教えてください。

高橋智隆氏(以下、高橋): ロボホンのコンセプトは、ロボット電話です。スマホに手・足・頭を付けて、命を吹き込んだとでも言えばいいでしょうか。機能も盛りだくさんで、コミュニケーションロボットとして会話したり歩き回ったりするほか、電話やメール、アプリのダウンロードができます。ユニークなのは、レーザープロジェクターを内蔵していて、壁に映像を映し出せるので、ロボットと一緒にテレビを見る感覚で動画を楽しめるわけです。

――正直、あまりに小さいので驚きました。

高橋: 人型のコミュニケーションロボットとしてギリギリ持ち歩けるサイズを実現しました。頭は出てしまいますが、Yシャツの胸ポケットに収まるサイズになっています。実は人型で小型という点にロボホンの大きな意義があります。

――人型ロボットというと、どうしても人間と同じ大きさで、人間の代わりに働くのが理想というイメージがあります。

高橋: 私たちは普段意識していませんが、ロボットが大きくなると、その分、期待値も大きくなる傾向があります。人間と同じ大きさだと、人間のように賢く、人間のようにテキパキ働いてほしい、となるわけです。でも、明らかに人型ロボットは作業には向いていません。掃除させるならルンバのような形が効率的です。モタモタしていると、期待値が大きい分、落胆も大きい。実は同様に人間や犬などでも、大きいほうがおバカに見える傾向があります。

 さらに大型にしてしまうと、安全性の面でも不安が増大します。倒れて床に大きな傷がついてしまったり、ぶつかってケガをしてしまったり……。人型ロボットを大型にすることは、なかなか難しいものなのです。