青い看板ならぬ「赤い看板」で知られるコンビニエンスストア「ナチュラルローソン」。オリジナリティある品ぞろえで感度の高い女性の心をがっちりつかみ、続々とヒット商品を生み出している。ナチュラルローソン商品部部長の稲葉潤一氏に「コンビニエンスストアでのヒット術」についてお話を聞いた。

稲葉潤一(いなば・じゅんいち)氏
ローソン 商品本部 ナチュラルローソン商品部 部長。1996年にローソン入社。店長・スーパーバイザーを経て、マーケティング本部へ異動。商品企画やプロモーション業務を約10年担当。この間、ソーシャルメディア「ローソンクルーのあきこちゃん」、ロールケーキ、焼パスタ、Lチキバンズなどのコンセプトメイクに関わる。商品本部 米飯部を経て、2012年6月より、現職。首都圏100店舗だからできる“希少性”をテーマに、全国の産地に足を運び生産者の生の声を聞いて惚れ込んだ本当によいものを少量でも数量限定でも販売すべく奔走中
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――コンビニエンスストアという熾烈な世界で、ナチュラルローソンは異彩を放っていますね。

稲葉潤一氏(以下、稲葉): 「尖がった商品が置けてうらやましい」とよく言われますが、たしかに僕らは100店舗しかないので、実験的にいろいろなことができる。でも、その大前提を作ってくれているのが、そういうものを面白いと思ってくれるお客さんです。お客さんを理解することによって、こういうふうに戦いたいという戦略が見えてくる。最初に商品ありきではありません。

――ナチュラルローソンの特色は?

稲葉: 本質的にぶれさせないのは「美と健康」。身体にいいもの、素材がいいものを扱うということ。あとは、お客さんを見ながら、変化して対応していくのがナチュラルローソンだと思っています。

――イメージされている客層は?

稲葉: 40歳の有職女性で子供がいない人。人と同じ物を持つのは嫌いで、美味しいものや面白いものが好きという人。店をウォッチングしていると、そういう雰囲気をもった人たちが明らかに商品をけん引しています。だから、「あの人たちにファンになってほしいな」という気持ちで店づくりをしています。

――どのようにお客さんをウォッチングしているのでしょう?

稲葉: 成城石井さんを参考にしていたので、昔はよく成城石井さんに行って、お客さんの後をそっと追いかけ、見た商品を確かめていました。ポップを見て買う場合もあれば、ラベル(裏表記)をじっくり見て棚に戻していくものがある。どういう動きをしているのかを何十人と見ていくと、「うちのお客さんならこういう商品を置けば気に入ってくれるんじゃないか」と想像できるんですね。そこを原点に来てほしい人をイメージしながら商品を並べていくとやっぱり、お客さんの数が上がっていきます。