環状線という基本構想を貫いた大阪モノレール

 大阪モノレールの運営主体は第三セクターの大阪高速鉄道だ。大阪国際空港に隣接する大阪空港駅(豊中市)から門真市駅まで全長21.2kmに14の駅がある。途中の万博記念公園駅で支線の国際文化公園都市線(彩都線)が分岐し、一部の便は直通運転をしている。

 大阪を中心として環状に走る大阪モノレールは、大阪を中心として放射状に走る各路線と接続している。蛍池駅で阪急宝塚線に、千里中央駅で北大阪急行(地下鉄御堂筋線)に、山田駅で阪急千里線に、南茨木駅で阪急京都線に、大日駅で地下鉄谷町線に、門真市駅で京阪本線にそれぞれ乗り換えができるようになっている。大阪モノレールの路線が交差している各路線のうち、JR西日本の京都線(東海道本線)とだけは接続していない。大阪モノレールの計画がスタートした1970年代から80年代にかけては接続する構想もあったのだが、当時極度の財政難だった旧国鉄が乗り換え可能な駅を京都線に用意できなかったのである。

 環状線にとって重要な要素は2つある。高速であることと、放射状路線との乗り換えの便が良いことだ。環状線は、都市中央部を経由する人の流れをバイパスする役割を持つ。大阪モノレールの場合なら、混雑する大阪市内を通過しないで、例えば大阪国際空港から南茨木駅に直接行けること。だから「都市中央を経由したほうが目的地に早く着く」では意味がない。中央を通るよりも早く目的地に着けなくては利便性がなく、乗客が集まらない。また、トータルの移動時間を短縮するためには路線を高速化するだけではダメで、短時間で放射状路線と乗り換えられるように、乗り換えの動線を短くする必要がある。

 大阪モノレールはこの2つの条件をかなり満たしている。きついカーブは大阪空港駅から中国自動車道に沿って走るまでのあたりに集中していて、残る路線はかなりの部分が高速道に沿うようにほぼ直線で敷設されていて速度を出しやすい。大阪空港駅から門真市駅までにかかる時間は35分。その間の平均速度(これを表定速度という)35.4km/hだ。東京の環状線である山の手線は表定速度が34.5km/h、大阪環状線は30.0km/hだから、環状線としては標準的といってもいいだろう。

 また、放射状路線への接続駅での乗り換えの動線もよく考えられていて、ホーム間が大きく離れていて長く歩かされるということはない。

 大阪モノレールで持ち上がっている延伸計画は門真市駅から、東大阪市の瓜生堂まで南へ9km延ばすというもの。延伸区間には4つの駅を新設し、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線、JR西日本・学研都市線、近鉄けいはんな線、近鉄奈良線の4つの放射状路線との乗り換えを可能にする。環状線という基本コンセプトに忠実な延伸なので、完成するとより大阪モノレールはよりいっそう便利に使えるようになるだろう。

大阪都市モノレール延伸構想(公共交通戦略4路線について:pdfファイル、大阪府資料平成26年1月、より)
[画像のクリックで拡大表示]