前回に引き続き、モノレールの話。今回は大阪モノレールと多摩都市モノレールを比較しながら、モノレールはどんなものなのか、何が便利なのかを探っていこう。

 比較的短い距離で利用されることが多いモノレールは、方式の違いや路線の設計、周辺地域が抱える事情、その果たす機能や目的など複雑な条件が、密接に絡み合った結果が反映された乗り物だ。実際に乗る機会があったら、漫然と乗車時間を過ごすのではなく、キョロキョロとあちこち観察して、その複雑な事情を自分なりに組み立ててみるのが面白い。モノレールは、こうした分析が実に楽しい乗り物なのである。

多摩都市モノレール

 前回書いた通り、日本でのモノレールの主な使われ方は1)都市部のバス輸送の代替、2)都市周辺の環状線、3)空港など大規模施設へのアクセス、または施設内の移動――の3つへと収斂(しゅうれん)してきた。大阪モノレールは、2)が主目的だが、大阪空港へのアクセスも提供しているので3)も含む。一方、多摩都市モノレールは1)が主な目的だが、東京西部は南北の交通の便が悪いので2)の機能も担っている。

 このように両者は性格は異なるものの、共に大阪、東京という大都市圏にあるモノレールで、しかも同じ「日本跨座式」という方式を採用していて、さらに近年、路線延伸の可能性が出てきているといった共通点も持っている。

 このふたつの路線を比較することで、日本のモノレールが持つ特徴と課題が分かる。